2010年12月29日-1月1日 冬合宿 硫黄尾根
メンバー/中嶋L、辰巳SL、清家、羽賀
12/29
1/28 23:00 新大阪発 → 1/29 6:00 大町温泉郷着
ここからタクシーで葛温泉に向かう。前日からの降雪で辺り一面は雪景色。やはり雪国はこうでなくては。夜明けの時間で朝焼けが綺麗だ。しかし、葛温泉に着くとまた雪が降り出した。準備を整え出発する。
丁度、関西電力の除雪車が入ったところなので、高瀬ダム迄は所々のアイスバーンでコロコロ転びながらのラッセル無しで進む。しかし、一年で4度も足を踏み入れるとは思いもしなかった。除雪は高瀬ダムの上で終わる。ここからラッセルが始まる。雪が柔らかいのでツボ足で進む。右手には、何色というのだろうか、明るい緑にヨーグルトを混ぜたような、緑白色の鮮やかなダム湖が静かに在る。少し進めばそのダム湖に注ぎ込む一筋の川が始まる。右に左にと緩やかな曲線を描き、川は少しずつ細くなっていく。河原にはこんもりと雪が一面に積もり、川の中の石の上にも可愛らしいキノコ雪がのっている。綺麗だなぁと思いながらも、ラッセル、ラッセル、ラッセル。途中ワカンを着け、14:00湯俣着。
12/30
6:30発。アイゼンを着け出発。吊り橋を渡り、前回は橋の下に降りてトラバースをしたが、今回は上の草付きにフィックスが張ってあったので、降りずにそのままトラバース。有難く使わせていただきました。昨日出会った3人パーティーの踏み跡を辿り、取付き迄進む。崩壊地を横切り、一旦河原に下りまた左岸に上がる。前回は藪こぎとラッセルで上がっていったが、今回は少し先の葉の付いていない木が集まっている所から取り付いた。此処でワカンを装着。急斜面のラッセルは交代でやるがなかなか大変だ。所々岩場も出てきたので左右に巻いて登る。ルンゼを登る所も出てきたので、雪崩れませんようにと祈りながら登る。漸く尾根に出る。此処で一息入れ目印のリボンを付けておく。今回は辰巳SLがリボンを付けていってくれていた。
さて硫黄岳を目指して再出発。やる事は只一つラッセルだ。3月、5月は雪が締まっており、それ程苦に感じなかったが、さすがは12月、柔らかい。スキーヤーやスノーボーダーには御馳走の雪ではあるが、登山者にはあまり美味ではない雪だ。しかし、雪山経験の浅い羽賀には結構楽しめる。特に急斜面のラッセルは格別だ。とにかく体ごと雪にぶつかって行き手足4本を使って体を持ち上げていくのみ。以前話を聞いた、会長のラッセルの仕方を真似てみた。要は沈み込む前に次々と一手一足を繰り出し、体を持ち上げていく。なので結構速く疲れる。会長がトップでそれをやるとセカンドとの差がみるみる開いていくらしい。さて今回の羽賀の出来はどうであったろうか。
長いラッセルの末、漸く稜線に出る。この時点で14:00。そろそろテント場をと、探し始める。P4の手前だろうか、小さなコルでなんとか張れそうだったので、ここを整地する。
気象通報で天気図をとり、ニュースで天気予報を聞くとこの冬一番の寒気が入るとの事。やはり撤退か。明日一番、中嶋CLと清家君で2時間と時間を決めて進み、辰巳SL、羽賀で撤収準備をする事に決める。
12/31
朝一は天気が良かった。中嶋CLと清家君はアイゼンを付け前進する。こちらは9時頃から撤収を開始。丁度片付けが終わった頃に二人が帰って来る。P6迄進んだとの事。まだ天気は良く、少し後ろ髪をひかれながらの下山となる。湯俣に着いた所で雪が降り始める。今日は大晦日、年越しカレーを食べ、少し紅白を聞きながら眠りに就く。
1/1
新年を山で迎えるという、念願がやっとかなった。
朝食はラーメンと正月らしくお餅。清家君が黒豆や蒲鉾等、おせちを持ってきてくれていたので、それでお祝いをする。7:00頃出発。途中高瀬ダムから幕岩を観察して葛温泉へ。
3度挑戦、完登は5月の1回のみ。次来る時は少々のラッセルでびくともしない体力を付けて挑戦したいと思う。
文章/羽賀