8/20(月)まずはメンヒへ

 

 

 

5:45起床。

昨日炊いたご飯の残りを食べ、7:17のユングフラウヨッホ行きの鉄道に乗る。

 

まずはKlein Scheideggに行き、乗り換え。ここから、Eigerの中に突入!

あの有名なEigerに空いた窓から北壁を眺められるEigerword駅などを通り、グリンデルワルドから約1時間半でユングフラウヨッホに到着(ちなみに「ヨッホ」はドイツ語で「コル」の意味らしい)。

 

ユングフラウヨッホは展望台あり、レストランあり、ちょっとしたアクティビティありの一大観光施設。

準備をしながら外を眺めると、明日予定しているユングフラウのルートがよく見える。

 

何だかガボッと空いたクレバス上にルートが付いているんですが・・・。

氷河歩きが初めての私にはいまいち理解出来ないが、複数パーティが登っており、おそらく危険ではないんだろう・・・(ということに、ひとまずしておく)。

まぁ詳しいことはメンヒに登りつつ、情報収集だ〜。

天気も良さそうだし、まずはメンヒに登るのだ!!

 

 

 

 

メンヒへはメンヒ小屋まで続く、圧雪されたほぼ平坦な道を行く。

観光客もメンヒ小屋まで歩いて万年雪を楽しむらしく、いっぱいの人が歩いている。

 

45分歩いたころで、メンヒの南東稜の端に向かって、左にそれる。

多パーティ登っているので、取り付きもその先のルートも分かりやすい。

ガイド本にはここからロープを結ぶとあるが、その必要は無さそうなので、ヘルメットだけ被り、まずはガレ場を登る(10:20取り付き)。

途中、2級程度の岩場や雪稜を交互に登っていく。

 

上の方の雪稜で、アイゼンを付け、これ以降の岩場もアイゼンで登る。

最後は張り出した雪庇に気をつけながら雪稜を登り切り、頂上へ(12:30頃)。

 

周りはほとんどガイド登山ということもあり、単独の人以外はアンザイレンしているようだったが、私たちは、結局ロープは出さなかった。

天気も良く、ユングフラウやらアイガーやらアレッチ氷河やら、見えるもの全てが素晴らしい!

「次はアイガー・ミッテルレギか!」なんて調子に乗りつつ、目に入るものを片っ端から写真に取りまくり、12:40頃下山開始。

 

急な箇所もあるが、ステップはばっちり切ってあり、それほどグズグズの雪でもないので、下りもロープ不要。

一箇所、ちょっとヤラしい岩場があったので、お互いをロアーダウンした。

同ルートを下降し、14:45頃、メンヒ小屋着。

 

 

 

お約束のビールを飲みながら、明日の計画について相談する。

涼さんは明日のユングにはいまいち乗り気でないようだが、私はせっかくだから登りたい、メンヒよりも登りたい山だと主張する。

9時には引き返す」という約束で、一応話がまとまる。

この小屋の夕食も19時からとのことなので、しばらく昼寝。

 

ふと目が覚めると外は真っ暗。

雪が降っている。これが天気予報で言ってた「Thunder storm」か・・・。

こりゃ、明日のユングフラウは無理かな、と半ば諦めながらウトウトする。

 

19時になり、食堂へ。

チェックインのときに指定された席に着く。

既に満席。どこから来ただの、どこへ行くだの早くも盛り上がっている。

この頃には雪も止み、空には虹がかかっていた。

 

 

 

 

夕食のほうは、まずはスープとパンから。

この小屋は大皿に盛られた料理が机ごとに配られ、各自で取り分けるスタイル。

次にメイン。肉のスライスやらソーセージやらインゲンやらがモリモリ乗っかった銀の大皿が到着。

肉食の私にはたまらん風景。さらにマスタードや蒸したジャガイモも配られる。

 

この小屋に泊まる人はメンヒかユングに登る人がほとんどかと思っていたら、アイガーに行くだの、私が良く分からないルートに行く人だの、けっこういろんなルートがあるらしい。

「明日はユングに登るんだけど・・・」と話すと、皆一様に「ベストコンディションだ!」と言う。

「雪降ったけど??」と聞くと「ノープロブレム」とのこと。

 

夕食の途中で天気予報が始まる。

どうやら、これからThunder stormの時刻が早くなっていき、天気は崩れていくよう。

TVを囲んでいたみんなも、渋い顔で戻ってくる。

今日はデザート出ないのかな?と思った頃にストロベリーアイスが出て夕食終了。

 

雪が締まっている早い時間に登りきりたいので、明日は3時半起床4時過ぎには出発することで就寝。

・・・が、今日も全く眠れない!!またもや心拍数は早いままだし、どうしたんだ!肉食べ過ぎて消化出来ないのか!?

 

 

 

8/21(火)そしてユングフラウ

 

・・・というわけで、今回も眠れぬまま、3時半を迎える。

メンヒ小屋の朝食は3時半と6時(だったと思う)の2回戦だが、早く出るため、今回は朝食は付けなかった。

 

持参したパンを食べる。

メンヒ小屋では夜のうちに水筒を出しておくと、飲み物を入れてくれる。

チューチューバッグ(ハイドレーションシステム?のこと)を出しておいたら、2Lいっぱいに入れてくれていたが、どうやらそれが熱い砂糖入り紅茶だったようで、私のバッグはグニャグニャに変形していた・・・。

まあ、これも旅の思い出さ・・・。

 

予定通り4:15発。

暗い中、観光客用の道をユングフラウヨッホへ向かって歩く。

雪はそれほど積もっていない。ユングフラウヨッホ駅の少し手前でロープを結び、アイゼンも付け、観光客用の道を区切るロープをくぐって、氷河へ。

前のパーティのトレースをたどる。

 

今日の登りは全て、私がトップで歩かせてもらう。

氷河をトラバース気味に上がり、雨量計のある岩場の基部に到着。

ここら辺りで明るくなり始める(5:45頃)。

 

 

 

1P目はスタカットで登る。

これ以降は様子をほとんどコンテでトレースを探りながら岩場を登っていく。

50分ほど登り、ガリガリの雪の平面に達する。正面のロートタールザッテル(「ザッテル」は「コル」の意)をめざす。

ガリガリ雪から氷河に降りついた雪の斜面に変わるが、ひたすらザッテルめざして登り続ける。

 

ふと下を見ると、氷河の割れ目がパックリ広がっている。

日本で雪の斜面で転がったら岩に当たるのが怖いが、ここではコケたらあっという間に氷河の割れ目へ・・・。

気をつけながら、クレバスも乗り越す。ガリガリ雪に入ってから約1時間ほどで、ロートタールザッテルへ(8:20頃)。

 

ここからは岩と雪稜のミックス。

早くも下ってくるパーティとすれ違う。

この調子だと9時に登頂は厳しいが、もう後は見えているので、涼さんも頂上まで行くことを許可してくれた様子。

次第に雲が出てくるが、最大2級程度の岩場と雪稜を上り続け、9:20頃、ユングフラウ山頂!

 

雲も厚くならず、眺望も楽しめた。

山頂でオーストリア人ガイド(+クライアント二人)としばらく雑談。

 

 

 

 

下りは登りとは違って、ロートタールザッテル下の岩場は通らず、クレバスをまたぐ感じで下っていく。

今までクレバスなんて歩いたことがないので、どれだけ安全なのか判断が付かないが、みんな通っているので大丈夫なんだろう。

にしても、おそらく昨日のトレースと思われるところのクレバスが今日はジャンプしても渡れないほどに広がっているのには、ビビる。

安全地帯での休憩を挟みつつ12時過ぎにユングフラウヨッホに無事到着。

 

 

 

 

これで今回のスイスでの山行は終わり。

怪我も無く、終了したことに安堵する。

せっかく来たので、展望台(スフィンクスというらしい)に行きたい!と主張し、涼さんにも付き合ってもらう。

 

13時半の鉄道でグリンデルワルドへ(実際は13時半より遅れたけど・・・)。

Coopで軽く買い物。

デザートにミルフィーユを買ってみた。けっこう、美味かった。

日が暮れる頃から雲行きが怪しくなり、雷雨。

やはり次第に崩れるという天気予報は当たったんだろうか・・・。

 

 

 

 

文章/小林

 

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