2012滝谷 報告
CL吉田、SL中嶋
9/21(金) はれ
7:59大阪駅発(特急ひだ号)12:13高山着 12:40高山発(路線バス)14:13新穂高着
14:45新穂高発 17:20滝谷避難小屋着
9/22(土) はれ
5;00滝谷小屋発 5:30雄滝下 8:00雄滝上 9:00滑滝下 10:10滑滝上
10:30合流点 12:00尾根上 15:00尾根下降 17:00C沢二俣ビバーク
9/23(日) 雨のちくもり
5:45ビバーク地点発 8:00滑滝下 11;45滝谷避難小屋 14:45新穂高着
日本を代表するクラッシックルート滝谷四尾根を、グラウンドアップする計画でした。
なんと、四尾根を間違えて撤退。したがって四尾根の記録はありません。
初日 前夜浜田から夜行バスに乗り早朝の梅田。大阪駅始発の特急ひだ25号に乗り込む。
平日のせいか乗客は少なめ。4時間少々で高山。バスに乗り換えて新穂へ。
滝谷まで2時間半。前日までの雨で道は濡れているが、明日は好天の予報。
2年前の10月に同ルートを計画した際は雨で縦走となったが、今回は期待できる。
滝谷小屋は貸し切り状態で快適だった。
2日目 長丁場を予想して早朝5時発。
河原歩き30分で雄滝下。浮石が多いが、渡渉は問題なし。水量少な目か。
ちょうどヘッドランプを外せる明るさになる。
[雄滝。左に見える雪渓の上のスラブに取り付いた]
過去の記録では雌滝との間の尾根を登っているが、雄滝流芯から見て左端の濡れたスラブに取りつく。
トップ中嶋さん空身で行くが、ヌルヌルで往生する。2ピッチ目は傾斜落ちる。いずれも残置は無く、カム、ナッツで支点をとる。
3ピッチ目は草付を右へトラバース。4ピッチ目で雄滝落ち口へ出る。草付でいやらしいトラバースだったが、最後は踏み跡に導かれる。
[雄滝落ち口から下を見る。下の河原の末端が滝谷出合]
雄滝クリアで一息。すぐ上の滝は右から巻く。その上から雪渓。
典型的な雪渓処理。滑滝は左から取り付くので雪渓を左に向かう。
吉田はアイゼン装着。中嶋さんはアイゼンが無いので、シュルンドの下降ができずに手前の側面からガレ場に下りるが、シュルンドの切れ目を登るのが大変だった。
[滑滝に向けて取り付きに向かう。]
[滑滝。取り付きは雪渓に隠れて見えない。左を登る。]
滑滝1p目は緊張して取り付いた。確かにプロテクションは少ないが、傾斜ゆるく、フリクションも効いて、快適な登攀だった。9月で水量が少ないのが良かったのかもしれない。
なお、中間に支点はあり。錆びたハーケンなので、打ち足しました。
その後小滝を経て再び雪渓、しばらく行くと谷が開ける。
[合流点。左端見えないがA沢。スラブを挟んでB,C沢。正面の尾根の間がD沢。右に伸びるのがE沢。右端見えないがF沢がある。ここでD沢をC沢と間違えてしまった。]
緊張の雄滝、滑滝を無事通過し、合流点に着いた。ここまで順調。いよいよ四尾根登攀への期待が高まる。
過去の記録を参考に正面の細長い尾根が四尾根と確信し、その左がC沢と迷わず突進する。雪渓処理もなんのその、慣れたもんです。
20分程度で、四尾根取り付きスノーコルに上がるべく草付ルンゼを登る。尾根はビバーク跡もあり、やっと四尾根に着いたと感じる。(トポではスラブから取り付くとなっていたが?)
痩せ尾根をスタカットで進む。浮石にひやひやするが、まあ問題なし。壁に当たる。いよいよAカンテか?しかし、3級の割には非常に厳しい。残置もほとんど見当たらない。1時間近くウロウロする。これはおかしい、左の沢を挟んで見える尾根の行く先がツルムのように見えないか。そうだ、あれが四尾根だ。間違えた。ショックでしばらく呆然とする。
とにかく引き返す。このとき3時。4時間のロス。さすがに今日中には抜けられない。
しかし、何とか気を取り直して明日再チャレンジすることにする。C沢二俣でビバーク。
落石に用心しつつ整地をして寝床に着く。明日は迅速かつ安全な登攀を心がけよう。
3日目 浅い眠りの夜中、ツェルトに雨の当たる音がする。夜明けには本降り。落胆し、仕方なく撤退とする。
浮石、雪渓、滝の懸垂下降。雨の中、黙々と、震えながら、ハーケンを打ち、ロープを手繰り、下りていく。当然ながら登りより神経を使う。期待感は全くない。
滝谷小屋に着いた頃には雨が上がり、振り返ればドームが見えた。
[後記]合流点でCを間違えないためには、子供でも分かる話だが、A沢、B沢、C沢と左から順番に確認していくこと。
9月は時期としては雪渓が衰えて、水量も少ないので登りやすいと思う。ただ日が短い。
アイゼンはどちらともいえない、あったら安心か?(夏なら是非ほしい)。アックスは必携。
ガチャは必要最小限でいい。小〜中サイズのカム、ハーケンはあったほうがいいと思う。
文章/吉田