甲斐駒ヶ岳Aフランケ赤蜘蛛登攀記録
日時 2013年9月22日(日)〜24日(火)
メンバー 岡千晶、大内英明、涼子
持ち物 キャメロット#0.4から#1.0(2セット)、#0.3と#2.0(1セット)、リンクカム#0.5と #1.0(1セット)、アブミ、フィフィ、その他登攀用具
行程
21日(土) 夜大阪発、自家用車使用、中央道伊那IC下り、40分程で仙流荘前駐車場へ(無料)
22日(日) 仙流荘前から北沢峠南アルプス市営バス利用(往復1人荷物代込2600円)、北沢峠〜双児山〜駒津峰〜山頂〜黒戸尾根八合目付近の台地にてテント(水場に水無し。七丈小屋まで往復して水を取る。1人100円で汲み放題。2.5リットルの水筒3本+行動用水筒を必要分満たす)
23日(月) 八合目岩小屋の前からアプローチを下り(約1時間)、Aフランケ赤蜘蛛ルート登攀、テントに戻りもう1泊
24日(火) 八合目付近台地〜頂上〜駒津峰〜双児山〜北沢峠 午前10時発のバスに乗り仙流荘前駐車場へ。温泉「みはらしの湯」(大人1人600円、ボディソープ、リンス入シャンプーあり)に入って帰る。
登攀記録
アプローチは踏み跡がしっかりしており分かりやすい。初めて行くのであれば入山日に下見をしておいた方がよい。固定ロープもところどころある。
リードの順番、岡、りょ、大内。
アプローチから見える雲海と朝日がきれいだった。このくらいきれいな雲海を見たのは初めてのような気がする。
平日ということもあり私達とシニア世代の女性と男性パーティの2パーティだった。この2人、アプローチで追いつくも、先に取り付こうとする足だけは速かった。
取付に到着したら1ピン目にアブミをかけて朝ご飯を食べていた。これで半時間、1ピッチを2人が登り切るのに1時間ちょっと待たされた。
取付到着6時過ぎ、1ピッチ目開始7時半、Aフランケの頭到着19時。(待ち時間2時間半ほど含む)。
1ピッチ目(岡)1ピン目から2ピン目が遠いので魔法の杖を使い難なくこなす。
ヌンチャクが最後少し足りなくなったので、次のピッチからは全てリードに渡すということにした。
2ピッチ目(りょ)2年前に来たときに登ったので何がどうなっているか覚えていたので楽しんで登れた。前に先の2人がいたので20mほどで切った。
3ピッチ目(大内) クラックにキャメロットをセットし、ピッチ後半はアブミを使いながら登って行く。次のピッチのV字ハングを越すシニア女性がアブミを落としたのをさぱっ!とキャッチする妙技を見せた。V字ハング下の終了点で切る。
4ピッチ目(岡) 難なくV字ハングを越す。越してからの足場が小石、砂が多く滑りそうなのが気になるピッチ。
5ピッチ目(りょ) 中間テラスから垂壁直下までのおまけ的なピッチ。途中、ほんの2mほどトラバースするスラブはアブミを出してしまった。恐がりである。終了点は2人立てるスペースのみ。
6ピッチ目(大内) スーパークラックルートと交差する前半ピッチ。残置リングとキャメロットをセットしながらキャメアブミで着実に登って行く。
ビレイしながら慎重になっているなぁ、と思っていたら1時間ちょっとかかっていた。
フォローの2人は順調に高度を伸ばす。高度感がすごいので下は見ないようにする。途中で1本、どうしても外せないキャメがあり、岡さんに色々と指示を出してもらいがんばるが抜けなかった。
てっきり岡さんのキャメロットだと思っていたが大内さんのだった、と思っていたが帰宅してから確認すると全てあった。
よく聞くと元々あった残置だった。はよ言うてくれ。どれだけ焦って外そうと必死になったか。下見るの怖いのに、下方向見てアブミの上でどきどきしながらもがいていたのに。
このピッチの終了点は、3人分のスペースがないので次のピッチをリードする岡さんが終了点より少し上で待機。
この辺の判断もアルパインの経験がなければなかなかできない。この3人で登るのは初めてだが息が合っている。
7ピッチ目(岡) 恐竜カンテを回りこむ赤蜘蛛ルート後半のハイライト部分。
少々遠かったようで岡さんでも少々う〜ん、と言っていた。が、越えた後はするするとロープが流れる。
辺りは日陰になり夕暮れが近づいているのを実感する。順調に大内さん、私がフォローする。
開拓者の方が使ったであろうL字型のアンカーがクラックにはまっていた。昔の人は色々と工夫されたんだなぁ。
歴史を感じる瞬間でもある。夕方になるにつれて肌寒くなり少々センチメンタルになる。
8ピッチ目(りょ) 20m程の壁をアブミ登りを交えて赤蜘蛛大テラスへ。これで本格的な登りは終了。17時半頃に全員集結。
ここから2〜3ピッチの登りがまだある。途中で暗くなるのは必須と思ったのでヘッドランプをヘルメットにセットする。
大内が登り出すとあっという間に暗くなった。ロープはつないだまま(約30m、9ピッチ目)。終了点から韮崎市方面の夜景がきれいに見えた。
このあと岡リード(約30m、10ピッチ目)。登り切るとAフランケの頭の岩小屋前だった(18時40分頃)。すっかり暗くなってしまったが3人共満足してテントに戻った。
文章/大内りょ