大山山行記録(2014/2/15-16)  メンバー/吉田・中嶋・深美・小林

 

私の中では毎年恒例となってきた「吉田さんと行く大山冬山山行♪」。

昨年はおととしのリベンジで船上山〜大山までを縦走し、無事ユートピア小屋まで到達したが、最後の剣ヶ峰〜頂上小屋の縦走は悪天予報のため省略した。

今年はその最後をつなげるべく、昨年の縦走メンバー(吉田・中嶋・深美・小林)で、大山縦走ルートと弥山尾根(西稜)の二本を登る計画とした。 

 

2/15(土)

島根在住の吉田さんとは大山駐車場7時に待ち合わせ。大阪組は4時に江坂集合だったが、集合時間になっても深美カーが現れない。

電話をしてみると、なんと今起きて、まだ家とのこと…。結局5時過ぎに江坂を出るが、本当の波乱はここからだった…。

 

前日の金曜は大阪でも珍しく雪が降るような天気。

深美さんの車はノーマルタイヤの為、蒜山高原辺りからチェーンを付けるが、先週の荒島岳でチェーンが何カ所か切れ、崩壊寸前。高速走行中も何度か外れかけ、

その度、冷たい雨が降る中、付け直す。(と言っても、付け方の分からない中嶋・小林はほとんど役に立たず、深美さん任せ…。深美さん、ありがとう…。)

何とか高速は越え、米子ICで一般道に入るが、大山スキー場付近がばっちり積雪しておりツルツル。

あちこちで車がスリップしているし、こちらのチェーンもまたまた外れるし、満身創痍の中、やっとのことで9時過ぎに大山駐車場に到着。

長らく待ってもらった吉田さんと合流する。

 

さて、本来の予定は縦走か弥山尾根だが、雪が降っており、天気は悪い。確実に上は風が強いだろう。

ここまで来るのに一仕事やり終えた感のある中嶋さんから、まさかの「沈(=停滞)」の意見が出るが、「9時半から沈してどうするんですか!」と残り3人で一斉に突っ込む。

結局、今日は一般道で頂上小屋まで行ってみて、一度下山。明日は天気が回復しそうなので、早く出発して、弥山尾根〜縦走コースとつなげることにする。

 

ということで、のんびり準備して11時前に大山駐車場を出発する。一般道にはトレースが付いていたが、ツボ足ではところどころ潜るので途中でわかんを付ける。

雪も止み風も無く、5合目までは順調に進む。

休憩していると、上から救助隊らしき人たちが降りてきて、「7合目から上は風が非常に強く視界も無くなるので気を付けるように」と、口をすっぱくして言う。

ということなので、ここからアイゼンにチェンジ。私は目出し帽にゴーグルも用意して強風対策。

6合目小屋越えたあたりから、確かに風がきつくなり始める。

 

 

ポールは見えるので、7合目半辺りまで進むがいよいよ風が強くなり、風の様子を見ながら進むような状態になる。どこまで行くか相談するが、その声もよく聞こえない。

吉田Lが「はち!」と言うので、8合目まで行くのかなと、先頭切った吉田Lを残り3人揃って見守る(つまり誰も後には続かず…)。

が、3歩ほど進んだところで、振り返り「バツ!」のジェスチャー。うーん、去年も同じ光景を見た気がする…。

撤退の判断は早い我々、「いや、もっと行きましょう」とは誰も言わず、早々に下る。

私はゴーグルをしていたので問題なかったが、風が下から吹き上げていたので、ゴーグルのない中嶋さん・深美さんは下りづらかったでしょう。

6合目小屋下まで行くと、さっきの強風がウソのように穏やかになる。

一息入れて、あとは一気に下る。下るころには晴れ間も見え始め、明日は期待できそう。

ということで、今日は宴会するのみ!一般道登山口の前にある駐車場にテントを張り、吉田さんが用意してくれた鍋をつまみに各自持ち込んだ日本酒やら焼酎やらホットワインで盛り上がる。

明日は3時起床ということで、9時頃就寝(私はそれより前に寝てたようですが…)。

 

2/16(日)

3時起床のはずが、起こされた時間は4時15分過ぎ…。今日は4人揃って遅刻…。

ラーメンの朝食を済ませ、テントを撤収。7時前に駐車場を出発。

大山寺から元谷まで、トレースはばっちり。元谷から弥山尾根を見るが、視界が悪くよく見えない。

時たま視界が晴れると、すでに何パーティか登っている模様。何となくトレースが残っていたので、わかんは付けずに、8:45頃、弥山の取り付きまで到着した。

 

吉田・深美、小林・中嶋の順で登る。3年前、初めて来た大山では弥山の東稜を登った。思えば、それが初の冬山バリエーション。

当時は吉田さんにトップをしてもらった。今回はリハビリ中の中嶋さんのバリエーション復帰戦なので、基本的に私がトップで登らせてもらう。

隣の別山尾根と違い、弥山尾根は岩登り要素はなく、ほとんどが急な雪稜登りだった。

今回は先行パーティがかなり入っていたので、階段状になっている箇所が多く、かなり楽をさせてもらった。

トレースばっちりなこともあり、危険度は少ないが、雪の中に埋もれている木を発掘して、なんとか支点にするのがほとんど。

直線状の雪稜なので、なるべくロープいっぱいまで伸ばしたいが、太い木はほとんどなく支点を取るところが限られる。

 

 

コールもよく聞こえないし、ロープの長さを計りながら、どこでどのように支点を作ってピッチを切るかを考えて登るのが、面白いところだった。

数カ所はいい木が見つからず、ボディビレイするところもあった。

途中、中嶋さんにもトップをしてもらい、8ピッチほどで急な雪稜を超える。一旦休憩後、あとはコンテで進む。

もう少し天気がいいことを期待したが、ずっと視界は良くない。どこが頂上かよく分からない中しばらく登り、12時頃、弥山の頂上に到着。

風はそれほど強くないものの相変わらず視界は良くない。

 

 

 

大山に慣れている吉田さんが居るので、予定通り縦走コースにつなげる。

トレースがところどころ付いていて、基本的にそれを辿るが、視界が悪いので、要所要所で吉田さんが地図を確認してくれる。

ユートピア小屋方面に行く尾根を間違えるとエライことになるらしい。

途中一カ所、ナイフリッジでロープを出したが、そこ以外はコンテで進む。

視界も時々晴れるようになってきて、下る宝珠尾根も何となく確認できた。

尾根を少し下ったところで、ロープをしまい、各自のペースで進んで行く。

前回縦走した際は、元谷へ下ったが、今回は宝珠尾根経由で直接、大山寺まで下るらしい。

久々に9時間近い行動時間になり、途中の登り返しがしんどかったが、ようやく差してきた日に樹氷がキラキラしてなかなか素敵な尾根だった。

腹が減った私は呑気にパンなど食べながら下っていたが、吉田さんの話によると、尾根をひたすら下るとスキー場まで行ってしまうらしい。

大山寺に降りるには、鞍部で左に下らないといけないとのこと。先行する中嶋さんはそんなことは露知らず、尾根に残っていたわかんのトレースを辿っているに違いない。

すんでのところで吉田さんが追い付いたようで、事なきを得た。左へしばらく下ると、大山寺から元谷へと行くトレースとぶつかり、16時頃、大山寺に到着。

 

 

その後、昨年の秋に出来たばかりという「豪円湯院」という温泉施設で疲れを癒す。

料金500円でタオルまで貸してくれるし、施設も広々しており、なかなかお買い得だった。

ここのレストランで夕食も食べ、吉田さんとお別れ。

行きで苦労したので、道路の積雪状況が心配だったが、昨日はスリップする車が続出だったスキー場付近の坂道もすっかり雪が無くなり、早速チェーンを外す。

高速道路にも雪は無く、帰りは快調に飛ばして、難なく大阪に戻ったのでした。

さ〜て、来年の「吉田さんと行く大山山行♪」は、どこを計画してくれるのかな〜??

 

記録/小林