キリマンジャロ(2014/12/24-2015/1/2)
メンバー/小林
昨年のネパールではゴーキョピーク(5357m)まで行く予定が、ドーレ(4110m)で高山病になり、あえなく下山した。
もう一度5000m超にチャレンジしようと、ふと思いついたのがキリマンジャロ。アフリカには子供の頃から行ってみたかったし、ちょっと調べたところ、休みやすい年末年始はちょうど登山に適する時期らしい。
キリマンジャロはガイドと登ることが義務付けられているとのことなので、それならば全部お任せしよう、とツアー登山を探す。
昨年、ネパールでS遊旅行のツアー客に会って良さそうだったのと、日程的にも合っていたので、今回はS遊旅行の「ゆったりキリマンジャロ登頂」ツアーに、6月、申し込む。
ツアーだとビザの手続きなど全ての手配をやってくれる上に、分からないことは聞けば何でも教えてくれる。
そんなんで、一時は申し込んだことも忘れるほどのんきに過ごしていたが、12月初旬に行程表が送られてきて、俄かに現実味を帯びてきた…。
12/24−25
関西空港19:40に集合。初のツアー登山、ドキドキしながら集合を待つ。みんなと仲良く出来るかな…。
12/24発のツアーは大人気で追加募集もしていた。その結果、15人の1班(私はこっち)と11人の2班の二つのグループに分かれて行動する。
大阪からの参加者は5人。1班の添乗員K戸さんと一緒にドーハに向かい、東京組と合流する。
チェックインの後は自由行動、飛行機の席もバラバラみたいなので、人見知りの私はほっと一安心。
22時過ぎにカタール航空でまずはドーハへ。13時間弱掛けて、12/25の早朝ドーハに着く。
ここで東京組と合流。他のメンバーは、低酸素トレーニングに行っただとか、標高の高い山に通っただとか話している。
私ときたら、普段の山行をしていただけで、直前は下手に怪我したくないから軽い山しか行ってないし、12月は飲み会続きで不摂生をしてきた…。ここにきて不安になる…。
ドーハで、さっきより小さい飛行機に乗り換え。
すでに飛行機にはうんざりだが、ここからタンザニア最大の都市・ダルエルサラームまで6時間弱、ここで1時間ほど機内待機し、さらに1時間ほど飛ぶ。
登山中は高山病予防の為、アルコールは飲まない。アルコールは飛行機まで、と心に誓っていた。
なんで、機内ではCAさんにわざわざビールを頼んで持ってきてもらう。これでお酒とはしばしお別れ…。
途中、機内から虹が見えた!こりゃ、幸先いいぞ!そして、12/25の15時頃、ようやくキリマンジャロ空港に到着。
今更ながら、アフリカって遠いんだと思い知らされた。
虹が見えた!
飛行機からタラップで降りると、そこは真夏。南国の花が咲いている。早速汗が噴き出る。
バス(日本の中古車)に荷物を積み上げて、今日の宿泊地・マラングまで行く。
途中、モシの町で両替&スーパーで買い出し…のはずだったが、着いた日はクリスマス。
両替所は全て閉まっていた。なので、現地コーディネーターにシリングを建替えてもらって買い物(私は何も買わなかったけど)。
スーパーはクリスマスの子供向けイベントをやっているようで、どこもかしこも子供だらけ!日本人が珍しいのか、おっきなお目目でジーと見てくる…。
さりげなく手とか握ってくるので、最初は何か取られるんじゃないかと思ったが、そういうわけでもないらしい。
気さくに「ジャンボ!」と声を掛けてくる子もいて、なんだかとても可愛かった。(疑ってごめんなさい。)
空港から3時間ほど走って、すっかり日も暮れた頃、マラングのカプリコーンホテルに到着。
女性参加者のI川さんと同室だった。バスルームの電気が点かない、とホテルの人に言うと、夕食の間に直しておいてくれるって。ほんとにそんなにすぐ直るの??
夕食後、簡単に自己紹介。新婚旅行だというH島さん夫妻は20代だが、60代、70代の人も居て、平均年齢はかなり高い…。
夕食後、部屋に戻ろうとすると、さっきのホテルのおじさんが部屋の外のベンチに腰かけて、のんびりしている。
ちゃんと直してくれたんかい…と部屋に帰ると、電気が点かない!やっぱり直ってないじゃん!と、ホテルの人がまた来て、電球を替えたらすんなり点いた…。
私たちが部屋のカギを掛けて出て行ってしまったので、外で待っていたみたい。ごめんなさい…。
ポーターに預ける荷物は7sまで。(ポーターは二人分の荷物を一人で持つ。)明日の出発時、計量があるので、事前に添乗員のK戸さんが用意してくれていた電子秤で重さを確認。
明日の道はよく整備されているらしいので、重い登山靴は預けて、履いてきたトレランシューズで歩きたかったが、重さオーバーのため断念。
初日から登山靴で行くことにする。計量後、これからしばらくお預けのシャワーを浴びるが、お湯の勢いがなさ過ぎて、洗い流すのになかなか苦労した…。
12/26
いよいよ、今日から登山開始。ホテルで朝食を食べ、念のため、再度荷物計量。きっかり7kgだった!
登山口のマラングゲートまではバスで10分ほど。キリマンジャロの登山口にはゲートがあり、正式な入山手続きをして、ガイドを同行しなければ入山できない。
手続きには1時間ほど掛かるとのこと。その間、土産物屋を見たり、ポーター達が荷物の準備をするのを見学したり。
預ける荷物は防水処理するようにとのことだったので、荷物はビニール袋に入れてザックに入れた。
ザックカバーも付けた方がいいかな、と思ったが、ポーター達は青いズタ袋に入れて荷物を持つみたい。
途中の山小屋は寝場所を提供するだけなので、食料や燃料は全て担ぎ上げなければならない。
並べられた青い袋を覗いてみると、キャベツ丸ごとやトマト、カボチャ、ズッキーニなどの食料を始め、燃料や洗面器、ポリタンクなど色々入っている。
我々16名のパーティに8名のガイドと30人ほどのポーター(コックさん込み)が同行するとのこと。
こんな大名行列登山は初めてだ!ちなみにポーター達は、頭か首に荷物を乗っけて歩く。
私には全くラクには見えないが、ネパールも同様だったし、慣れると持ちやすいのかな?
出発準備中
結局1時間以上掛かって、10時半、ゲートを出発する。
マラングゲートの標高は1700mだが、赤道直下なので、今日の目的地・マンダラハット(2730m)まではジャングルが続く。
途中、サルやらカメレオンの子供やらに遭遇した。
カメレオンの子供!
ちっちゃいけど同じ形!
ここらへんはジャングル地帯
ガイドはとにかく「ポレポレ(ゆっくりゆっくり)」歩くようにと言う。
道もよく整備されているので、このスピードは物足りないくらいだが、高度順応には「ポレポレ」が何より重要。
のんびり、ガイドのデイビスとスワヒリ語と日本語を教えあいこしながら歩く。
ちなみにガイドはみんな英語が話せるので、会話の基本は英語。
後で聞いた話だが、ガイドになるには専門の学校に通い、ライセンスを取る必要があり、そこで英語が必須とのこと。
さて、今日のスワヒリ語講座、まずは数の数え方。「1がモジャ、2がビリ、3がタト…」「で、4は?」と聞くと、「今日は3まで」だって。
数を覚えるのも「ポレポレ」らしい。いいなー、アフリカ!!のんびりしてる!
12時半、ベンチのあるところでランチ。タッパーに入ったランチをポーターが配ってくれる。
中身はマンゴジュース、バナナ、サンドウィッチ、フライドチキン、サモサ、マフィン、チョコレートバー、そして食後に紅茶かコーヒー。
この後もランチは基本的にこの内容で、サモサがゆで卵になったり、チョコレートバーが変わったりするくらい。
今日のランチ
ランチの後、また樹林帯を歩いて、15時半、今日の宿泊地マンダラハットに到着!緑が生い茂り、高い木もたくさん生えていて、標高2730mというのが信じられない。
下方に雲海が見えるが、緑の木の下に雲海が広がっているという、日本ではありえない光景に赤道直下に居ることを実感する。
マンダラハットに到着!
部屋は4人部屋。女性の参加者は3名だったので、女性参加者のI川さん、H島さん夫妻と同室。
山行中、ずっとこのメンバーで同室だった。部屋の三角屋根にはソーラーパネルがあり、電気が付いている。ベッドにはマットも枕もあり快適。
一人だけ二段ベッドの上に寝ることになるので、今日は私が上に寝ましょうと申し出るが、梯子がなく自力で上がれない…。
結局、背の高いH島さんの旦那さんに上に行ってもらった。
森の中の三角屋根に泊まる
しばらくすると、部屋に洗面用のお湯が運ばれてくる。日頃の山行では考えられない贅沢!
そして16時にはお茶の時間。食堂でお茶やポップコーンが提供される。
お茶の後、部屋でゴロゴロしていると、雨が降ってきたが、夕食前には止んだ。
お茶のお供はポップコーンかナッツ
18時に夕食。今晩から夕食・朝食前の健康チェックが始まる。
パルスオキシメーターによる脈拍と血中酸素飽和濃度の測定に加え、頭痛やめまいの有無などの問診を記入する。
夕食前の健康チェック:血中酸素飽和濃度98、脈拍108
平地における血中酸素飽和度は98くらいらしいのでほぼ平地と同じ値だったが、普段の私の脈拍は60に届かないくらいなので、脈拍が高いのが少し気になる。
なるべくゆっくり呼吸するように心がける。
さて、お楽しみの夕食♪。食事は大皿に用意された料理を各自の皿に取って食べる。
今日の夕食は何かの白身魚のフライとアボガド入りのサラダ、フルーツジュース、ライス、ボイルされたポテト、そして味噌汁。
山でも生野菜が食べられるのは有難い。夕食も美味しく頂いた。
食後のお茶を頂いて、19時過ぎには部屋に戻る。酒を飲まないとやること無いので、早速寝に入る。
昨日、バスで移動の際、窓を開けていたので、その時の埃で喉が少し痛い。昨年のネパールでは喉を傷めて、風邪をひき、鼻が詰まって息が出来なくなり、それが高山病を引き起こしたように思う。
なので、今回は絶対風邪を引きたくない!まだ標高が低いうちに早目に治そうと、市販の風邪薬と抗生剤を飲んで寝る。
…が、大して疲れてないし、こんなに早く眠れるわけない!高山病予防のため普段より水も多く飲んでいるので、トイレも近い。
結局夜中のうちに3回もトイレに行った。ちなみにトイレは、水の勢いが良すぎるほどの水洗、その上キレイ。夜空の星は数が多いだけでなく、文字通り「キラッキラッ」瞬いていた。