山行記録 八ヶ岳中山尾根
日程 平成26年4月13日〜14日
メンバー 大内、涼
4月12日(土)
20:50頃 家を出発、高速を飛ばして一路八ヶ岳へ。いつもは美濃戸口に車を止めて歩き始めるのだが今回は時間節約のために車で美濃戸山荘まで入ることにする。何年か前の冬に私の車で入ろうとして立ち往生して以来の挑戦!RV車なら何も問題ないのだが今回は「デミオ」なので、また往生しないか心配だったが、道にほとんど雪が無かったおかげで何回かお腹をこすったものの美濃戸山荘まで入れ、約1時間、節約できた。
4月13日(日) 曇時々晴
車中仮眠して4時に起きようと目覚ましをセットしたが起きれず4時半過ぎに起床。朝食を済ませて5時過ぎに美濃戸の駐車場出発。ここで予定より約1時間遅れ。美濃戸山荘前は凍っていて涼が足をとられて転びそうになる。
積雪量は少なくラッセルも無いので歩き易いはずなのに久々の山行のせいで息が上がる2人。今年は、先シーズンにスキーデビューした涼と滑りに行くことが多く、岩を登るのも久しぶり。そしてこの中山尾根は去年の2月にも涼とトライしたが、私が1P目にいきなり滑落。しっかりと確保してくれていたので大事には至らなかったがあれ以来の再挑戦だ。今回はキッチリと登りたい。
8時 行者小屋着。テンバには、ざっと見渡しただけでも10張り以上のテントがあり、そのうち「都岳連」とかかれたものが7〜8張りあった。今夜は日曜だが、もう1泊するならにぎやかになりそうだな〜、と思ったのでできるだけ離れた場所にテントを張った。その後、不要なものをデポしてアイゼンを装着。
9時 行者小屋テント場出発
9時5分 中山乗越
10時 中山尾根取付き
樹林帯終了〜下部岩壁手前の雪稜
ここでハーネス等登攀装備を装着しザイルを結ぶ。3P目辺りに先行パーティーが居る、 おそらく都岳連の方達だろう。1P目は去年の因縁の場所なので、私が再びトップを行くことに。
去年は体調がすぐれなかったが、今年は悪くない。ルート上は雪も氷も付いておらず岩がむき出し状態。気温は4℃、無風とインナーグローブだけで十分で岩をガバガバ掴んでグイグイ登れる。もはや冬季登攀とはいえないくらい登りやすかったが、なにせ久々の本ちゃんクライミングだったのでやはり緊張した。
上部岩壁1P目。先行パーティ
1P 大内リード 10時25分〜
スタンス、ホールド共に豊富だがいきなりの立った壁に緊張した。
1P目終了点に先行パーティ
2P 涼リード
スタンス、ホールド共に微妙でちょっといやらしい感じ。後続パーティーが登攀準備をしていた。
2P目終了点から
3P 雪稜歩き 50mx2ピッチ+20m1Pの計3ピッチ。ロープを捲くのが手間と思ったのでスタカットの簡単ビレイで登った。
4P 大内リード 12時〜
快適に登れて面白かった。ルート核心部分。先行パーティがいたので出だしで少し待った。
5P 涼リード
急な雪稜を、ピックを打ち込みながら登った。岩がもろいので雪が少ない時は注意!
6P 大内リード
最後の岩場を直上気味に登る。登りやすかった。ここでルートは終了。
7P 大内、涼リード
バンドを縦走路に向けてトラバース、念のためスタカットにする。先行パーティーが登攀を終了して登山道を下りて行くのが見えた。
途中でバンドが90度カーブするので一旦切ってそこからは涼が先に行った。
縦走路に出た所が広く平になっておりザックを降ろして一本たてる。後続パーティーが追いついて来た。ヘルメットには「横浜蝸牛」の文字。彼等の会員(多分他の人)には今年の冬合宿の前穂でも会っている。「頑張ってる会やなぁ」と感心する。この後、地蔵尾根経由で行者小屋まで下って本日終了。
中山尾根最終ピッチ。ほんのりかぶっている。
これを越えたら終了
お約束のこの風景。左から赤岳、中岳、阿弥陀岳
15:00 行者小屋テント場到着
感想、他
涼は先月、八方尾根のスキー場の中級コースを滑る際、左膝を痛めてしまい何かの拍子で痛みが走るようで本調子では無かったが無事終われて良かった。
行者小屋におりてまた15時だったので相談した結果、山を下りる事に決定。遅くなった時のことを考えて朝、設営しておいたテントを撤収し車まで約2時間歩き、がたがたの林道を再び走り、諏訪市内のビジネスホテルで一泊。大浴場で汗を流し、近くの居酒屋で夕食を取った。海鮮ものが美味しく、地酒「夜明け前」が旨かった。(大内)
今回、中山尾根は2回目のトライ。前回は山を始めてある程度登れるようになった、2007年だった。2月だったので今回と条件はかなり違うものの、なんだか冷や冷や、どきどき、緊張して登ったのに、今回はさらっと登れてしまった。核心ってこんなもんだったのか?と、なんだかふてぶてしくなった自分の気持ちに、遠い初々しい頃に戻りたいような戻りたくないような…。
去年は大内さんが本当に体調悪く、それを押して行き1P目、数メートル登り出したところでやはりやめよう、ということになり(天気も悪かったし)、そろそろとクライムダウンする際に、ハーケンの1本が抜けて私の後頭部にどかん!と落ちた、ということがあった。やはり体調は万全にして、途中で体調が変化したらやめておく、くらいのすっぱりした決断力も大事ですね。
この日は、高曇りの珍しい無風状態で、遠くに穂高の峰々もうっすら眺めることができるような天気で、暑くなく寒くなく本当に快適なクライミング日和でした。個人的には雨が降らない曇の日が最高の山日和と思っている。(涼 写真も)
文・写真/涼