メンバー:崎間、岳友K

 

◆行程

9/20() 高砂市を前夜22:00発→みずがき山自然公園4:00着。カメ岩。

9/21() 十一面岩末端壁 調和の幻想。

9/22() カサメリ沢 モツランド。19:00発→高砂市に翌朝2:00帰着。

 

◆行動記録

9/20 () カメ岩

 前夜発で4:00にみずがき山自然公園に到着。しばらく仮眠し、明るくなってからテントとタープを設営。5連休ということで家族連れも多く、キャンプ場は盛況だった。初日の足慣らしとして、クラックとボルトルートの両方あるカメ岩に向かった。

 まずは「片葉葦(カタハアシ)1p 5.7」でカムセット、セカンドビレイ、懸垂下降の練習。つづいて「カメ岩クラック5.10a」にトライ。トポには「クラックは傾斜のないハンド/フィンガーでやさしい」とあるが、久しぶりのクラックなのでそんなに簡単ではなかった。最後に「亀甲めぐり5.10d」で撃沈し、明日のマルチピッチに不安を抱きながら岩場を後にした。

カメ岩クラック

 

9/21() 調和の幻想

 6:00発。少し道に迷ったものの、6:50調和の幻想の取付きに到着。一番乗り。準備を整え、7:20登攀開始。ツルベで登る計画だったのだが、突如、ぼくが全ピッチリードになってしまった。

 1p目:5.9+。やや前傾したワイドクラックの右側を、フレークを辿ってフェイスムーブで登った。フレークにカムが決まるものの、プロテクションが足下になると凄い恐怖感。1p目から全身疲弊し何とかトップアウト。テラスでビレイ。

 2p目:5.8。出だしの被ったワイドがいきなり悪い。やや濡れているので躊躇なくA0。その上は、左にフィンガークラックのあるスラブ。クラックもスラブもやや濡れている。マスターカムの黄色やオレンジを決めつつA0。ビレイ点は左に回りこんだ立ち木。後続はガイドパーティーで早いので、ここで先行してもらった。9:00。大変な苦労でここまで来たが、この先登れるだろうかととても不安になり、懸垂下降しようかと本気で考えた。しかし、長い休憩を取ったことと、上手な人が登っているのを見たことによって、再び登りたい気持ちが湧いてきた。

 3p目:5.9。フィンガーサイズのカムを使いつつ登るフェイス的なルート。右へトラバースする箇所に1本リングボルトがあり、その前後が核心。トラバース前にリンクカムの緑をセットしてテスティングしていたら、勢い良く抜けて、カムヘッドがぼくの眉間に直撃して流血。幸い傷は浅く、セルフを取って手で血を拭っていたら血は止った。気を取り直してクライミング再開。トラバース後は保塁岩のだっこちゃんの様に岩を抱えて乗越して、大きく左に回り込んだ檜のテラスでビレイ。

 4p目:5.10a。核心ピッチ。枯れた檜(今にも折れそう)を木登りしてスラブへ。右へトラバースして頼りないリングボルトにクリップ。直上するのが良いのだろうけど、怖すぎて上がれない。右へ回り込んでフレークにキャメロット#1をセットして、左へ戻りつつ登った。ポケット状にスメアリング。リングボルトの上部に3m程に位置するフレークを掴み、マスターカム黄色と青をセットして一安心。と思いきやここからも難しかった。テンション交えてトップアウト。ビレイ点は、またしても左に回りこんだテラスで、これまでで一番開けて明るい感じ。例の大フレークを先行パーティーが登っていた。

 5p目:5.9。懸案の大フレークに真新しいキャメロット#6を決め、これをずらしながら登る。フレークから身体を出してレイバック体勢に持ち込めばムーブは難しくない。ある程度進めばフレーク傾斜も落ちるので、右足をフレークの外に出してスメアできた。しかし、カムをずらしながら登るというのは、ずらしている瞬間は非常にランナウトするので、ずらした先がスカスカだったらどうなるかと思うと怖かった。フレークが逆L字になるとキャメロット#5以下のサイズも効くようになった。ここまで約15m。さらに10mほど登ると、5mくらいのオフィズスが突如現れ、大変苦労した。ワイドムーブを習得していないぼくにとって、全ピッチで最も困難なパートだった。試行錯誤の上なんとか抜け、ロープの重さに引きずられながら、ついに終了点にたどり着いた。疲弊した全身から満足感がこみ上げてきた。13:00

 下降:(1) 5p目終了点→4p目終了点、(2) 4p目終了点→2p目終了点と同じ高さの、2p目終了点とはカンテを挟んだ逆側の支点、(3) その支点→地面、の計3回。14:30下降終了。

 

調和の幻想1p

 

調和の幻想5p

 

9/22()

 午前中は瑞牆の自然や川上村の公園を楽しんだ。昼過ぎ、2時間ほどカサメリ沢のモツランドでボルトルートを登った。最初に「たぬき5.10a」、それから「ミルクミルク 5.10b」。ミルクミルクはムーブが多彩で面白かった。

 テントを撤収し、連休終盤で閑散となりだしたキャンプ場を後にした。

 

ミルクミルク

 

みずがき山自然公園キャンプ場

 

◆所感

 今回、クラッククライミングが久し振りだったためか、終始プロテクションの恐怖との戦いであった。もっと練習を積んでから望むべきだったけれど、万全な状態を待っていてはいつまで経ってもトライできないので、全然歯が立たなければ敗退すれば良いかと割りきって臨んだ。結果として「フリー」では登れなかったものの、ルートの最後までトップアウトすることができ、とても充実感が得られた。瑞牆にはクラックのマルチピッチルートが多数あるので、これからも通いたい。

 

◆備忘録

・みずがき山自然公園のキャンプ場は平坦で開けていて快適だった。車の乗り入れも可能。水場、水洗トイレあり。お風呂はないが、増冨の湯が10kmの距離にある。車で15分程。テントは112,000(1人用の場合は1,000)。タープは別料金で1,000(泊数とは無関係)。管理棟で地元の山菜や軽食も販売されていた。

・買出しは、信州峠を越えてナナーズまで行く必要がある。車で30分程と結構遠いので、食料やお酒はあらかじめ用意しておいたほうが楽。ビールくらいは管理棟で買える。

・カムはキャメロット#0.532セット、キャメロット#46を各1、マスターカム青〜赤を各1。使い切ることはなかったので、もう少し少なくても良かったかもしれない。

 

文章/崎間