うきうきハイキング

日時 2015.5.23-24

メンバー 辰巳、森田、小林、松田 

参加者 視覚障害と重複する障害のある子ども5名とその家族等 計31名

 

大阪アルデ山岳会では2010年から目の不自由な子どもとそのご家族を対象に

クライミングにチャレンジしてもらう体験イベントを開催しています。

ライト・オン・デザイン・プロジェクトとの共催でこれまでに3回実施してきました。

2010年9月 うきうきクライミング(蓬莱峡)

2012年11月 うきうきクライミング(百丈岩)

2013年11月 うきうきクライミング(神戸登山研修所)

 

前回の2013年に同人OKERAの松下喜美子氏に「視覚障害者のハイキング」についてお話してもらったことをきっかけに、

今年は少し志向を変えて新緑の裏六甲鎌倉峡にてキャンプ体験を行い、

快晴の翌日に百丈岩の一般道と林道から稜線を巻く緩やかな2コースに分かれてのハイキングを楽しみました。

 

終わってみると普段クライミングの練習で利用している私たちにはなんてことない一般道ですが、

目の見えない見えにくい子どもたちにとっては大変な冒険となったようです。

普段は親御さんや先生の腕や手をもって歩く“手引き”で舗装された道を歩いている子どもたちは、

地面のわずかな傾斜や乾燥して滑る砂地に緊張して足がすくんだり、

両手で岩角を掴み、めいっぱいのハイステップを要する露岩帯などは非日常に溢れていました。

また、歩きながら顔にあたる笹や木々の枝を感じたり、

つらい登りの最中に聞こえてくる鳥の声に応援されている気になったりと

思い思いに自然を満喫していたようです。

元気ですいすい登れてしまう子にとってはグループで足並みを揃えて行動する気疲れがあったり、

ロープで安全確保をされているとはいえ、その意味が分かりにくい子にとっては

「こわい〜」と精いっぱいの叫び声を出させてしまったり、

声には出せないけどいつもよりギュッと先生の襟元を強く握るような箇所も幾つかありました。

無理をさせてしまったかもしれない・・・と今回のルート選定を振り返っていたのですが、

お母さん方から改めて感想を伺っていると、終わったあとの心地よい身体の疲労感や、

家族でどうも凄い場所に行って帰ってこれたようだという達成感、

親や同行の先生方の心からの「やったね!」という声掛けにとてもいい表情を見せていたようでホッとしました。

 今年もアルデ山岳会の皆さんには、準備段階から当日の子どもたちの安全確保や固定ロープの設置と回収など

大変お世話になりありがとうございました。

また、今年は体調不良で参加が叶いませんでしたが、第1回から毎年お手伝いしてくださっていた

松下夫妻には準備段階から相談に乗っていただいて貴重なアドバイスを頂戴しました。

そして、同日百丈岩におられた泉州山岳会の皆さまやすれ違うクライマー、ハイカーの皆さまには

狭い道でのすれ違いなどご迷惑をお掛けいたしましたが、「がんばれ、もう少しやで!」と

温かい声をたくさん掛けていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

 

参加者の感想

Uちゃん「おもしろかった!」

Aくん「疲れた〜。」

Yちゃん「平坦な道かと思って行ったらけわしい道だったから帰り道が怖かったです」

Mちゃん「もっとおしゃべりしたかったな〜。疲れた〜。」

Rくんママ「うきうきではなかったけど(笑)絶対プライベートでは経験出来ない、

しない良い体験が出来て本当に楽しかったです…無事に達成できるなんて感謝感激でした!

実際、みんなから『Rくんがやり遂げたのはすごい〜』って声をかけてもらってうれしかったし、Rの顔もドヤッて輝いてました。

…ライトオンに参加した頃は歩くのもままならなかったのに…って本当にそうです!一段とたくましくなりました。」

Mちゃんママ「ウキウキとはいきませんでしたが(汗)でも、あんなすごい所を登って降りてと、

疲れたけど行けた〜っていう、達成感がありました」

 

共催 The Light on Design Project  HPhttp://www.light-on-design.jp/

協賛 パール金属株式会社CAPTAIN STAGが2012年に提供してくださったテント、テントマット、シュラフ、ランタンを使用しました。

文章/辰巳