2017/01/01
八ヶ岳 中山尾根
森田、深美
前日のビバーク訓練の影響からかタマウイルスのせいか、大晦日の夜から中嶋さんと山口君が体調不良のためダウン。
あまりにも辛そうな為、朝の様子次第では全員で下山もやむなしという状況であった。
(なんとなくそのまま冬合宿終了のような雰囲気が・・・)
06:00 起床
2人とも少し回復した様でなんとか全員下山は免れる。
ただ登るのはさすがにきつい様なので森田・深美ペアで中山尾根を目指すことにした。
07:45出発
遅い出発となったが天気も良く、登れる喜びもあって気分は上々だ。
中山乗越から左に折れ、樹林帯を登っていく。雪が少なくラッセルもないので一気に取り付きまで向かう。途中1パーティー休憩していたので抜かして先に行かせてもらう。
【中山尾根を前に】
09:20 取り付き
1P目 森田さんリード
下部岩壁の最初が難しいとは聞いていたが、森田さんも出だしに苦戦し直登を試みるも手掛かりがなく、少し下り右から回り込むようにして登っていく。
ビレイ解除のコールがかかり、いよいよ自分の番だ。久しぶりで緊張する。
下から見ている分には直登する方が登れそうな感じがしたのでとりあえずトライしてみる。だがやはり途中で行き詰まり、アックスのリストループの扱いにももたつきあえなくテンション。
先が思いやられる立ち上がりだが、素直に右から行くとわりとすんなり行けて一安心。
2P目 深美リード
左へトラバースした後、急な雪面を登って尾根にでる。
難しくはないが支点があまり取れないため慎重に進む。
3P目 コンテで雪稜歩き
4P目 深美リード
上部岩壁の支点から真上に登ろうとするがどうも難しそうだ、会長から「右や、右から行けー!」とアドバイスをもらい言われるままに右から攻める。雪と氷が岩に付いておりそれを落としながら手掛かりを探さないとダメなので余計神経を使う。
一手ずつなんとか登っていくとペツルに不自然な残置ヌンチャクが。なんとなく嫌な予感がしたがそれも使って登っていくと全く手がかりがなく凍ってツルツルの岩にぶち当たってしまう。そして上の方には今にもちぎれそうなスリングが・・・
支点を取れるところもなく登るのも下りるのもできない状況だ。さっきの残置は敗退ヌンチャクか・・と思いながら仕方ないのでお助けスリングを掴みだましだまし体重を預けて少しずつトラバースを試みる。足が届きそうで届かないのでスリングにアックスをひっかけて目いっぱい体を伸ばす。いっぱいいっぱいで冷や汗ものだが何とかアイゼンの先っぽを岩に乗せ、エイヤっと飛び移る。少し登りテラスで一息つく。
そのあとは最後のかぶった凹角だがここはすんなりと登ることができ、ようやくピッチを切る。
ほんとに落ちなくてよかった。
フォローの会長も登るのに苦労したようで、終了点につくなり「お前、よぉこんな変なとこ登れたなー」と言ってきた。
(いや、会長のアドバイス真に受けたら変なとこにでたんやけどなー)って思ったけどそう言ってもらえたことは嬉しかった。
【上部岩壁の凹角を上から】
ちょうど12時ころだったので無線の交信を試みるも無線のアンテナを落としてしまい交信できず。念のため携帯電話のLINEにて中間報告の連絡をしておく。
5P目 深美リード
やさしいリッジのはずだが支点が見つからずランナウト気味になり結構スリリングだった。
ピナクルや中嶋さんに借りたカムで心もとない支点を取る。
後から会長に「支点とれるハーケンあったやないか」と言われたが全然気づいていなかった。
その後、コンテで登り最後は会長リードで無事中山尾根終了点に到着。(13時ころ)
帰りは地蔵尾根を下り赤岳鉱泉へは14時半ころ到着。
終始いい天気の中、緊張感のあるクライミングができて良かった。
自分の力量ぎりぎりのところを登り切ることができて楽しかったけど、今度はもう少し余裕を持って周りの状況も見ながら登れるようになりたいもんだと思いました。
【終了点から富士山を眺める】
≪おまけ≫
2017/01/02
赤岳〜権現岳〜編笠山 縦走
深美
中山尾根を登り終わってテントに帰った後は冬合宿も終了モード。
せっかく丸一日あるので南八ヶ岳を縦走して帰ることにした。
04:30 赤岳鉱泉
頭痛と息切れでペース上がらず、軽い高山病のような感じで登りがしんどい。
やっぱ美濃戸口から帰ろうかと迷うがとりあえず進む。
07:30 赤岳の稜線
文三郎尾根からの稜線へのトラバースにトレースなし、急で怖い。
行く先の峰々が見渡せていい景色だが、すでに疲れている為げんなりする。
【目指す頂は遥か彼方】
08:30キレット小屋付近
稜線沿いは風が強くて鎖場は緊張しながら抜けた。
長〜いハシゴあり高くて怖い、しかも荷物が重く疲れた。
10:40 権現岳
ようやく人と会う、地元の人で日帰りで権現岳へ登りに来たらしい。
12:30 編笠山
丸っこい山。
延々とひたすら下る。途中シカに遭遇、お互いにビビる。
15:45 富士見高原登山口 にて下山
せっかくなので駅まで歩いたが本当にやめておけばよかった。
タクシーの利用をおススメします。
17:35 信濃境駅 到着
夜行バスに乗る為に茅野駅へ。
駅前の居酒屋で一人寂しく飲んでいると、なんと偶然にも会長と中嶋さんも同じ店で飲んでおり合流する。山行の最後にみんなで飲めて嬉しかった。
会長はすでにベロベロ。熱い思いを語っていた。
思いのほか時間がかかって結局13時間歩きっぱなしだった。
前日の思い付きで急に行くことになったけど、悪天候や雪が多かったりしたら1日では厳しかったかもしれない。早速ビバーク訓練の成果を実戦で試す羽目になるところだった。
ルート上トレースはあるものの人にほとんど会わなくて静かで良かったです。
岩場、雪稜、樹林帯ありとバリエーションに富んでいるのでけっこう楽しめました。
文責/深美