山域        北アルプス 赤木沢遡行

日時        2017年8月16日〜17

メンバー   大内、大内()

計画         8/15(昼頃大阪発 19時半頃 折立駐車場着

              8/16(折立駐車場→太郎平小屋→薬師沢小屋

              8/17(薬師沢小屋→雲ノ平周遊→薬師沢小屋

              8/18()     薬師沢小屋→赤木沢遡行→登山道→太郎平小屋→折立駐車場→帰阪

              8/178/18の行動は現地にて変更。詳細、下記。

 

記録

夏合宿の北岳は、仕事の都合で他メンバーと日程が重ならなくなったため行き先を変更した。

以前から気になっていた綺麗で難易度が低いという赤木沢遡行を決めた。

せっかくなので、こちらも以前から気になっていた雲ノ平の周遊も行程に組み込んだ。

動線を考えると薬師峠のテン場をベースにするよりは、薬師沢小屋をベースとした方がいいので、今回は小屋泊まりとした。

 

折立までの有峰林道は、夜8時から翌朝6時までは通行止め。

ゲートが閉まる夜8時までに入ってしまおうと15日は昼過ぎに大阪を出発。夜7時半に折立の駐車場に到着。

いつもは混雑するそうだが、盆休みのピークを過ぎていたためか楽々駐車できてよかった。夜中に到着する車がないのでぐっすり眠ることができた。

 

8/16(水)曇のち一時雨

午前7  折立駐車場発 時々小雨が降るが雨具を着るほどではない。蒸し暑かった。

午後1時前    薬師沢小屋着 この後から、3時間ほどどしゃ降り。

早く小屋に着いてもすることがないから、と太郎平小屋からはゆっくり歩いていたが、雨に遭わずよかった。

午後6時頃    夕食後、衛星テレビの天気予報を見ると17日晴れ、18日雨と発表されていた。

雨の沢登りは嫌やなぁ、というのと晴れの日こそ赤木沢の景色を楽しむべし、

ということで赤木沢遡行を17日に前倒しにし、そのまま下山することにした。雲ノ平周遊はお預けとなった。

午後8  就寝(小屋の消灯時間は9)

 

8/17(木)晴のち一時雨

午前4時          起床

午前5時過ぎ 小屋出発

薬師沢小屋から赤木沢出合までに3回の捲き。うち1回はしてもしなくてもよい。

へつって落ちるのを避けた大内()が捲き道を見つけて捲いた。大内は、落ちそうなへつりを成功。

2回目の高捲きは2Pの懸垂。ロープを使うところはなかった、と聞いていたが、高捲きの踏み跡が途中で崩れていたので、

適当なところで15m10m弱の2P、懸垂をした。

午前7時過ぎ    赤木沢出合

事前の調査で、小屋から出合まで2時間で行けなかった場合は引き返すよう小屋で言われると聞いていたが、今回は言われなかった。

捲きで少し時間を取ったが、2時間数分で到着できたのでよしとした。

日が高くなり、沢にも朝日が差し込んできた。たまには当たる天気予報。

午前8時過ぎ ウマ沢、続いて四段の滝。下二段は、右側を捲く。

午前9時前  沢途中にある大岩。出合から大滝までの中間地点。

午前940    大滝到着。雲ノ平方向の空に不気味な笠雲が浮かぶ。

天気下り坂の予感。大滝は高捲く。崩壊している箇所あり。

 

大滝を越えた後、今回、参考にした岳人(20058月号P.134〜)の記事に、

「大滝を越えて2つ目の、右からの支沢を詰めたら太郎平に近い稜線に出る」と書いてあったので、顕著な1つ目の支沢を越えて先に進む。

が、それらしき2つ目の沢が出てこない。

赤木沢を詰めると稜線である中俣乗越に最短で出られるルートだが、折立方面には遠くなるので、先ほどの1つ目の支沢をつめることにした。

岳人に記載の通り、「苔むした滝が連続する」沢を30分ほど進んだ後、沢を出ることにした。

ここから稜線まで藪漕ぎ2回。1回目の藪漕ぎ後、赤木平付近に出る。靴と衣類を着替える。この後もう1度藪漕ぎ。

午後1240  稜線に出る。北ノ俣岳から太郎平小屋へと続く登山道を経て折立へ下山開始。

午後6時過ぎ 折立到着。最後30分で少し激しい雨に遇ってしまった。

 

沢装備

30mロープ1本、60cm120cmスリング各自各1本、カラビナ4枚、確保器&環付ビナ1セット、デイジー&環付ビナ1セット、ハーネス、ヘルメット、沢靴、沢用スパッツ

 

衣類

朝一番、赤木沢出合までは水に浸かるとしびれる冷たさ。

大内 トレッキングソックス1重、沢用タイツ、五分丈ズボン、薄手長袖Tシャツ

大内(涼) インナーソックス、ウール靴下、沢用タイツ、五分丈ズボン、汗戻り防止下着シャツ、厚めの長袖Tシャツ(沢を出たら少し暑かった)

 

感想

噂にたがわず明るくて楽しい沢だったが、悪天候や水量が多かったらそれなりに厳しい沢になると思う。

また、アプローチと下山共に北アルプスの最深部にある沢ということで長距離になるので、沢登りだけでなく歩ける体力は絶対必要。

加えて、長い木道を歩いて帰る、最後にふりしぼれる精神力も大切。

トポ図に間違いがあったり、水量や天気によって変わるので現場で修正できる判断力も必要。

赤テープ等目印が一切ないので、高捲きなどルートファインディング力も必要。

また、不要と言われた装備も持って行ってよかったと思う。

なんでもかんでも持って行き荷物が重くなり動きが鈍くなるのは論外だが、「装備を持って行って使わずに済んだ」方が

「無くてどうしようもできずに怪我をしてしまった」よりはいいはず。

昨今、局地的大雨が降っているのは町だけでなく山も同じだと思うので、

1年前に大丈夫だった捲き道が今年は崩れてしまっている、なんてこともあり得る。

念のための装備はあるに越したことはない、と実感した。

 

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小屋から出合までの途中。前日の大雨で水量が心配だったが、落ち着いていてよかった

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出合までは3回ほど渡渉。冷たい〜!

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赤木沢出合

左奥から流入しているのは黒部川本流

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赤木沢本流上流

雪渓の向こうが中俣乗越

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滝が多くて楽しい沢でした

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大滝の落ち口

 

注)本来、沢の捲きには右岸、左岸というのが通例だが、この記録文では分かりやすくするため進行方向(沢上流)に向かって右側、左側という表記にした。

 

文 大内(涼) 写真 大内