三倉岳 (2017/9/1-2)

メンバー:崎間(L、記)、椿尾、吉田

 当初は9/1-3の3日間で黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳赤蜘蛛ルートに登る予定だったものの、出発5日前に発生した台風15号により荒天が予想された。幸い西日本は大陸から張出した高気圧に包まれる見込みだったので、悩みに悩んで広島県三倉岳に転戦した。

◆概要

◆詳細

9/1(金) 晴れときどき曇り

 前夜発で広島へ移動し三倉岳キャンプ場の駐車場で仮眠。ひんやりとした満天の星空。朝8時、島根から来られた吉田さんと合流し、午前中は日陰になる西面のルートを目指す。Aコースの7合目の道標から踏み跡を辿りAコース7合目フランケへ到着。「まむしクラック 5.10a」「ちびりのクラック 5.10a」を順にトライする。いずれもハンド〜フィストの好ルート。

<▲まむしクラック>

 やはりマルチも登りたいので、午後からは下の岳東壁の「パインツリートリップ 4p, 5.10a」に取付く。1p目:椿尾さんリード。パッとしない苔むしたルンゼ状からスッキリしたフェイス。2p目:崎間リード。快適なフェイスかと思いきや最後がオフィズス。ズリズリと這い上がるが抜け口が悪くA0してしまった。3-4p目:吉田さんリード。ビレイ点を少し上がってから大きく左にトラバースし、右上するスクイズチムニー。上部はスラブ。2ピッチ繋げて45mくらい。ときおり雲に覆われて陽射しが遮られ、心地良い気候でのクライミングだ。クラックのマルチピッチは自分の力で登っている感があってすごくいい。

<▲パインツリートリップ1p目>

<▲パインツリートリップから青白ハング方面>

 50mダブルで懸垂2ピッチで取付きに戻る。翌日も青白ハング周辺で登る予定なので、6合目の岩小屋に登攀装備をデポ。

 キャンプ場の炊事場スペースで夕食。吉田さんがクーラーボックスを用意してくれており冷えたビールで乾杯!キャンプ場内には自販機などないので冷えたビールは大変ありがたい。吉田さん持参の卓上コンロで野菜たっぷりの焼き肉をつまみながら、クライマー談義に花を咲かせる。

9/2(土) 快晴のち曇り

 清々しい快晴の朝。青白ハングへ行き、それぞれの目標ルートに取付く。椿尾さんは「兵隊クラック5.10a」をそつなく完登、崎間は「モスクラック5.10b」で奮闘し疲労困憊、吉田さんは「むかでトラバース5.9」で健闘。

<▲兵隊クラック>

<▲モスクラック>

 その後、「男はつらいよ 5.10a」に登った後、中の岳のルートを偵察する。「入門クラック 5.9」や「アプローチカンテ5.10b」は魅力的だったものの、直射日光が激しすぎて今回は断念。続いて源助崩れに移動し「モルモットクラック 5.11a」を物色。最後にフェイスの「ブー 5.10a」と「ウー 5.11a」を登って終了。「ウー」は椿尾さんのみのトライで、非常に難しそうだった。三倉岳はクラックだけでなくフェイスも厳しい。

<▲モルモットクラック(見学のみ)>

<▲ブー>

◆感想

 期せずして今年2回目の三倉岳となった。岩質は小川山や瑞牆と同じ花崗岩だけど、ルートの質がなぜか違う。ワイド系のクラックが多いからだろうか。個人的には、三倉岳に訪れるたびに、ワイド登りはちょっとずつ様になってきた気がする。次回訪れたら、今回暑くて触れなかった中の岳のルートや、1手触っただけであきらめたモルモットクラックにトライしてみたい。

文章:崎間(2017/9/6)