小川山 (2017/7/15-17)

メンバー:崎間(L、記)、きらら、松村、小林、中嶋、川平、藤本、吉田、山口、今岡、(Y香)

◆概要

◆詳細

7/15(土) 晴れ

 興奮して仮眠できないメンバーで朝から親指岩。その後八幡沢左岸スラブでスラブの洗礼。最後はマルチとクラックに別れてクライミング。

時間帯

エリア

ルート

登った人

7:00-9:00

親指岩

小川山レイバック 5.9

崎間、山口、松村、藤本



五月の雪 5.10c

今岡、(Y香)

10:00-14:00

八幡沢左岸スラブ

ブラック&ホワイト 5.10a

松村、山口、中嶋、小林



ジャーマンスープレックス 5.10c

崎間、中嶋、小林、きらら、吉田、山口、松村



ビスタの夏休み 5.9

吉田、川平、藤本、山口



トムといっしょ 5.10a

中嶋、小林、川平、藤本、吉田、山口、崎間

14:00-15:00

八幡沢左岸スラブ

春の戻り雪 4p, 5.6

中嶋、小林、川平、藤本

15:00-16:00

ガマスラブ

ガマクラック 5.10a

吉田、崎間、山口、松村、今岡



KC'S Banana Cake 5.10a

吉田、山口

 先に下山した中嶋さん、小林さん、きらこさんがナナーズで買出ししてくれたビールで乾杯。メインディッシュは焚火で焼いたスペアリブと今岡さんの特製カレー。差し入れの豪華なウイスキーや日本酒が次々と空き瓶と化した。

<▲小川山レイバック>

<▲左岸スラブ1>

<▲左岸スラブ2>

<▲アルピニスト>

<▲トムといっしょ>

<▲スペアリブを調理中>

7/16(日) 晴れのち曇り一時雨

 人気ルートのセレクションを目指す川平さんと崎間は6時前に出発。他メンバーは定時でマラ岩方面とガマスラブ方面へ。

時間帯

エリア

ルート

登った人

6:00-9:00

屋根岩2峰

セレクション 6p, 5.9

崎間、川平

9:30-14:00

姉岩

センター試験 5.8

松村、中嶋、小林、藤本



卒業試験 5.10b

松村、中嶋、小林、藤本



限定解除 5.10d

松村、中嶋、藤本

9:30-14:00

マラ岩

ムードはイイ線 5.9

吉田、山口


妹岩

龍の子太郎 2p, 5.9

吉田、山口



カサブランカ 5.10b

きらら、川平



カシオペア軌道 5.10c

吉田、山口



ジャックと豆の木 5.10c

崎間、きらら



愛情物語 5.8

吉田、山口

10:00-13:00

ガマスラブ

ガマルート他

今岡、(Y香)

13:30-15:00

父岩

小川山物語 5.9

今岡、(Y香)

14:00-17:30

マラ岩

川上小唄 5.7

川平、藤本、山口



ホリデー 5.10a

吉田、山口、きらら、松村、藤本、川平



レギュラー 5.10c

吉田



JECCルート 5.10d

吉田

 買出しは今日も中嶋さんと小林さん、それに崎間。夕食はBBQと焼きそば。個人的には豚テキが美味しかった。一部メンバーにししゃもの醤油付けが大ヒット。

<▲卒業試験>

<▲川上小唄>

<▲レギュラー>

<▲ホリデー>

<▲花火もしました>

7/17(月) 晴れ

 クラック、マルチピッチ、ショートルートに分かれて行動。未明に雨が降ったようでタープの外の椅子に水たまりが出来ていたが、クライミングには支障なかった。

時間帯

エリア

ルート

登った人

8:30-11:00

最高ルーフの岩場

最高ルーフ 3p, 5.10d

吉田、崎間

9:00-11:30

ガマスラブ

ガマルート 6p, 5.8

中嶋、山口、川平、藤本

9:00-13:30

スラブ状岩壁

ウルトラセブン 5.7

小林、松村、川平、藤本



穴があったら出たい 5.10a

小林、松村、山口



小川山ショートストーリー 5.9

小林、松村、中嶋



ルート名不明、体感5.10a

小林、松村、山口

11:30-13:30

仏岩

ノーリターン 5.10c

崎間、吉田

 14時前に集結して片付け。生ゴミの分別が地味に大変だった(金峰山荘に有料でゴミ処理を頼むには生ゴミを仕分けしなければならない)。藤本さんの次世代的一眼レフカメラで集合写真を撮影、解散。

<▲ガマスラブ>

<▲最高ルーフ>

<▲廻り目平キャンプ場から屋根岩>

<▲3日間お天気に恵まれました>

◆感想

[藤本]

 行きの車が、吉田さんと山口くんでよかったです。というのも、会の色んな人と交流を深めたいと思っているので長い道のりを有効に使えたと思いました。

 クライミングに関しては、予想はしておりましたが、全く登れませんでした。しかし練習も含めてすごく楽しめました。中でも印象的だったのは、「卒業試験 5.10b」と「ホリデー 5.10a」です。

 卒業試験では、僕にとっての一番の核心は「結晶に乗る事」でした。いつもならそんな小さな所に全体重を預けるなんて怖くて無理でしたがこの5.10bの壁はそれを要求してきました。松村さんのアドバイスで体勢を整え、右足を信じて全体重を乗せてみたら立ち上がる事ができました。これは嬉しかったです。もちろんその後もテンションをかけながら登った訳ですがなんとかトップアウトできたので、これは嬉しかったです。

 次にホリデー。ここは僕と松村さん、川平さん、きなこさんの四人で行ったのですが僕はもちろんの事、松村さん、川平さんでさえ「怖い」と言ってる所にきなこさんがリードでロープをかけてくれました。あの小さな体と可愛らしい容姿からは考えられないくらいのパワーを感じました。本当に格好よくて、きなこファンになったのは間違いないです。僕の番ですが、最初から怖くて、1ピン目のスラブは色々頑張りましたがA0してしまいました。そして上部は右あがりでアンダー気味のレイバックで最初はラクをしようと手と離れた位置に足を置いてしまうのですがそれでは力が逃げてしまい突っ張る力が得られずに落ちてしまうという事が身をもって体験できたので、次のレイバックはもう少し上手くできそうな気がしました。

 テントでの生活は快適そのものでした。それは全て、きなこさんを始め女性陣によるものでしょう。あんな美味しい料理が食べれると思っていませんでしたので衝撃でした。僕たちは食べるだけ食べて、飲むだけ飲んで、寝て起きたら朝ご飯が出来てる。あり得ない事ですよね(笑) 下っ端のくせに何もせずにきなこさんに任せっきりで反省してます・・・。次からはもっとお手伝いいたします。この場を借りてお礼いたします。

 とにかくこんな楽しいキャンプは久しぶりでした。企画してくれた崎間さんに感謝です。また次回も是非参加したいと思いました。

[きらら]

 前年に引き続き、アルデメンバーで海の日の三連休を小川山で過ごせたことをとても嬉しく思いました。今年は12名という大所帯で、キャンプ場をベースに親睦を深められたと感じています。

 私にとって小川山は、“クライミング”が初めて「好きだ!」と感じさせられた場所です。当時、外の岩場で10aのリードがようやくでき始めた時期だったでしょうか?崎間くんの転勤の都合で東京に移り住んだ私たちは、“クライマーの聖地・小川山”に緊張しながら、毎回トポとにらっめこし、時には道に迷いながら通いつめました。

 小川山の花崗岩はシビアな足遣いを必要とし、クラシックルートはグレード以上の緊張を強いられ、トポだけでは判断できない厳しさを幾度となく経験しました。通ううちに、このルートや場の築き上げられた『精神』のようなものを感じるようになり、徐々にこの地の魅力に取りつかれました。フリーのショートルートだけではなく、マルチピッチもすばらしいルートがあります。「セレクション 6p, 5.9」は3回登りましたが、訪れる度に登ってもいいと思う程好ルートです。

 今回、初めて小川山を体験したメンバーが、OSやRP、途中あきらめずにトップアウトして楽しそうに登っている姿を見て、嬉しくもあり正直な気持ちでは悔しさも感じるという複雑な心境になりました。なぜなら、私自身の小川山は、ランナウトへの恐ろしさやスラブの一歩を克服するのにとてもとても多くの時間を費やしたからです。皆のそれぞれの強さを改めて実感することになりました。また、この原点の地でまだまだ自分の弱さを思い知り、次の目標も出来ました。森田さんが総会でおっしゃった、「常に挑戦し続けなければアルデではない」という言葉がずっと頭に残っています。

 食担を名乗り出た割には、初日だけで、あとはしっかりと仕事が出来なく、皆さんに頼り切りだったことが反省です。次回はデザートまで考えたいと思います。中嶋さん、小林さんにエリア決めや買い出しなど全体をまとめて頂き、さすがの手際だと感心するばかりでした。大きな反省点としては、初日に指定のゴミ袋を購入し、分別をするべきだったということです。最後に仕分けのご協力ありがとうございました。

 また、娘の相手をして頂き本当に助かりました。特になつかれた方には負担も大きかったと存じます。多くの刺激と笑いをありがとうございました。参加メンバーすべての方に心から感謝申し上げます。

[小林]

 1年ぶりの小川山。今回の狙いは「卒業試験」(5.10b)。5年前、まだジムに通っていなかった頃、隣の「センター試験」(5.8)さえリード出来ず、途中で降ろされた。その時、ジムしか行っていないようなおねえちゃんが、「ナイス!」とか言われて登っていたのがこのルート。「山は絶対私の方が行ってるのに…」と非常に悔しく、その時からここを登ることが、そのルート名の通り、ひとつの区切りのように思っていた。結果は…狙い通りフラッシング出来ました〜。グレード更新というわけではないのに、何だろう、この満足感は!グレードに関係なく、いいルートをじっくり登るって気持ちいい、と改めてクライミングの楽しさを実感させてもらった。マスターしてくれた松村さんと、長時間ビレイしてくれた中嶋さんに感謝です。

 他にはクラックも練習したかったが、ルート待ちと二日酔いで今回は1本も触らず。代わりにスラブに徹したが、リードとTRでまるで難しさが違う。スラブは恐怖心と足への信頼との戦い。何度か擦りおろされたが、怖さに負けず、どんどんリードにトライしたい。

 小川山は楽しすぎて、アルパイン出来なくなりそうなのが悩ましいが、これからも大人数でワイワイ行きましょう。

[松村]

 今回、初めての小川山に行くことが出来ました。まったく、岩質や気候、雰囲気などもわからずの参加だったので、とにかく登れる所は登る!そんなザックリとした感じでの入山でした。

 クラックとスラブのイメージがあったので、経験のないクラックはトップロープで登らせてもらえる所は登ってみて、どんな感じの物なのかまずは体感し、次につなげれるクライミングになればいいなと思っていましたが、小川山レイバック、ガマクラックとTRでトライさせてもらって感じたのはジャムを決めてる場合、基本体の重心は真中になってるような気がするのでいかに腕、足を上手に効かすか、そのポイントを探すかが非常に難しいような気がした。

 通常のクライミングも同じと考えると、全部が全部ガッツリ効くわけでもなく甘い部分や不安定な部分もある中で、次の一手を進めて行かないといけない部分の方が多いような気がしました。今回はとにかく効かす事に夢中になり、少しでもあまいとずっと手さぐりしてどんどん消耗していくという結果でした。

 そしてやっぱり足が重要な気がしました。結局手が甘くて上がれないのは、足が不安定だからでどちらも不安定だと体力の消耗ばかりで、登れるはずはないなと思いました。ただ、この感覚は普段では練習できなくて、とにかく本物で経験、感覚を培うしか方法がないのだなと感じ、考えさせられる経験になりました。それにリードとなるとNPを決めながらになってくるわけでこれはかなり道のりは遠いなってのが実感でした。

 スラブは何回か色んな場所で、経験はしていたのでできればグレードを高めに設定してどんどんトライしたかったので、今回は5.8〜5.10cまで触る事が出来て満足している。今回感じた事は、立ちこみの際のきき足に体重を乗せきる事がいかに大切かわかった。結局、なんにもないような所で登って行くには、フリクションを最大限生かして登らないと無理でそのためには、岩を足で押える力が大きければ大きいほどいいんじゃないかと思った。思い切って体重を乗せて立ちこめば、効いて来ることが多かったのが実感で手や腕はそれを垂直に伝える為のバランスの調整の役割がほとんどのような気がした。

 自分にとって一番新発見だったのが、普段シューズを履く時は靴下を着用してるが、今回、素足で履いてみた結果、こんなにも足裏、足先の感覚が鋭くなるんだって事だった。フリーに限られてはくるが、次回は1/2サイズを詰めて、素足でトライしてみたいと思っています。

 普通のフェイスに関しては、センター試験、卒業試験のほぼ2本だけとなったがジムトレの成果が少しは出たかなと思っています。岩のコンディションもよく、ただただ楽しくトライ出来たことが収穫でしたし次回は次のグレードへの挑戦もし、宿題をいっぱい作って帰れるぐらいになればいいと思ってます。

 アルパインをやっていくと考えれば、その場、その場で色んな岩と対峙し、抜けて行く技術が必要になってくるので、得意な部分はあればあるほどいいが、苦手や好き嫌いは極力少なくしていきたい。

 やっと表面的な部分がわかってきただけで、やるべき事は山ほどある中で今回初の小川山は、いろんな経験と発見をさせてもらった3日間でした。

[川平]

 昨年は急遽出張で行けなく昨年は急遽出張で行けなくなってしまった小川山。なので、個人的には非常に楽しみにしていました。

 中嶋さんからも、特にマルチのルート「セレクション5.9」は色々な要素が入っていて(クラック、スラブ等)、面白いと聞いており、絶対に行きたいルートの一つでした。ただ、クラックやスラブに慣れていない自分にとっては、グレード5.9でも厳しいかな〜と、緊張半分、楽しみ半分の状態だったと思います。その点、今回、崎間さんと組めた事は大変心強く、慣れていない箇所は崎間さんがリードで、それ意外は自分もリードする事ができ、本当に楽しいクライミングになったと感謝しています。次はリードで行けなかった部分を、リードで行きたいと思います。

 又、フリーでは、「カサブランカ5.10a」をTRで挑戦出来た事も良かったです。ルートとしても長く、上部の方は少しフレアになっている為、途中で力尽き、ワンテンかけてしまいましたが、やはり確実なジャミングとレストが出来ないと、クラックを登るのは難しいと思い知らされました。特にオールNPでリードする場合、精神的にも厳しくなると思いますので、先ずはキッチリとした技術を身に付けなければと再認識しています。

 行けてないルート、リベンジしたいルート、とりあえず触ってみたいルート、小川山には数多くの魅力的なルートがあるので、来年と言わず、毎年行きたい気持ちでいっぱいです!(小川山を知ると、もうアルパインに戻れないかも…。)

 最後に、食事を作ってくれたり、買い出しのご対応を頂いた方々には本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。

[山口]

 2日目、吉田さんに付き合っていただき、クラックのルートを数本登った。OSトライしようかと逡巡してる際、吉田さんの言葉が身に染みた。「岩に対峙し、気持ちが負けている時点で、もう登れない。絶対登ってやるという強い意志が大切だ」と。平日のジム練から意識付けていこうと思う。

[崎間]

 2011年からほぼ毎年訪問している小川山、今年は多くの仲間と共に来ることができ、平日の集会やジム通いに参加できないぼくにとって、メンバーと交流を深める良い機会となった。

 名張に少し通ったおかげでクラックは多少進歩を感じたものの、スラブでは滑りまくったので退化を感じた。ジャックと豆の木5.10c、最高ルーフ3p目5.10d、ノーリターン5.10cは面白いが手ごわかった。5.10台後半のクラックはなかなか完登できない。ジャミング技術に加え、持久力や体幹、それに精神力が必要になってくる感じ。しっかりカムをきめたら突っ込むしかないのだ。

 毎晩の宴会はぼくの小川山史上最大の盛り上がりであり、大阪アルデ山岳会の底力を垣間見た。料理を用意してくれたきらこさんと今岡さんに感謝です。宴会が盛り上がると翌日の体のキレが悪くなる。クライミングとどちらを優先するか難しい所。ぼくはお酒弱いので毎晩早めに消えてましたけども。

 夏の小川山はショートルートもとても面白いがやはりマルチピッチが気持ちよかった。まだまだ触った事のないマルチピッチルートが沢山ある。烏帽子岩右岩壁むささびルート 7p, 5.10b、仏壇岩エレクトリックレディランド 4p, 5.9、涸沢岩峰群2峰ダイレクトルート 3p, 5.9、八幡岩ウスノロマン 6p, 5.10dなどなど。次回訪れるときには、この中のどれか一つは登りたい。


文章:崎間、藤本、きらら、小林、松村、川平、山口 (2017/7/28)  写真:藤本