山域・ルート:八ヶ岳 南沢大滝&阿弥陀北西稜(2018127日〜28日)

メンバー:杉橋()、深美

日程:

 126() 深美邸発23:00〜赤岳山荘駐車場5:00

  127(赤岳山荘駐車場8:00〜南沢大滝9:30/14:45〜北西稜尾根末端(BC)15:35

  128() 北西稜末端(BC)5:55〜露岩7:00〜小ピーク8:00〜垂壁8:50〜阿弥陀岳山頂11:15

行者小屋12:00〜赤岳山荘14:30〜帰阪21:00

 

昨年から計画していた八ヶ岳のアイスと阿弥陀北西稜。

数日前に関東平野でまとまった降雪があったので、アイスは埋もれてしまい、北西稜の取付きまではラッセル祭りになりそうな期待と不安をかかえ一路赤岳山荘駐車場を目指した。

 

1日目(1/27)

赤岳山荘の駐車場には数台の車のみで、今週末は来山者が少ないのかな?と思いつつ南沢大滝へ向かった。

登山道周辺は思っていたほど雪がなくスムーズに大滝の入口に到着した。

荷物を置ける平地へ移動し小滝と大滝の様子を見ることにした。

小滝は全面つながっており大滝は中央のみだったが、大滝に他のパーティーがくる前に登ることにした。

大滝の下部は、なめ滝で中間から登ってみたが、氷には無数の穴と段差が目立った感じだったが、貸切り状態だったので気兼ねなく練習ができた。

深美さんは、今シーズン初のアイスだったので数本登ったあとにTRでスクリュー打ちをしたりしてマルチアイスのための練習をしていた。

左側の氷柱もTRでお互いに数本登り、気が付くと14時頃になっていたので、明日の取付きとBC設営のため移動をした。結局、大滝は終始貸切りだった。

 

大滝 小滝

 

登山道から北西稜を眺めながら、明日の登り口とBCに最適な場所を探した。

会の4テンを持ってきたので登山道より少し入った所に広いスペースを見つけて整地を開始した。

整地もでき、いざテントとフライを広げてみると、モンベルのスノーフライにダンロップのテント(レインフライ付)が出てきて、

「これらは共有できるのか?」と一瞬考えてしまったが、違うテントを間違ってパッキングしてしまったことに気づいた。

「やってしまった!!!」と思ってもどうすることもできず、レインフライだけでやり過ごそうかと思っていたら、

深美さんからレインフライにスノーフライが被せられそうと言われ、やってみることにした。

スノーフライの張り紐をしっかり張ればなんとかなったので、とりあえずBC設営ができた。

赤岳山荘から各自水を担いできたのと、JETボイルを使用したので水作りは早くできた。

お酒を飲みながら明日の行動予定の話をしていると、ラッセル好きの深美さんから取付きまでのラッセルはトップで行きたいとの嬉しい申し出があったので、断る理由もなく素直にお願いした。

テント内は意外と暖かく、起床時間までぐっすり眠れた。

 

風景 BC

 

2日目(1/28)

昼過ぎには天候が崩れるとの予報だったので遅くても昼頃には阿弥陀岳山頂に着くように、暗いうちに稜線を目指し行動を開始した。

約束通り、深美さんがトップで雪をかき分けて、どんどん進んでいく。

さすが、ラッセル好きで足取りが軽やかだった。急斜面では交代でラッセルをして露岩には思っていたより早く着いた。

露岩でハーネスとアイゼンを着けて小ピークまでの急斜面をあがっていくと、目の前に北西稜が姿を現した。

 

露岩までの急斜面 小ピークから(写真)

 

小ピークから北西稜

 

小ピークで登攀装備を着けて、正面の垂壁取付きまではU級程度の岩峰なのでスタカットとコンテでいった。

 

垂壁までの岩峰

 

登攀順番は、奇数:深美さん、偶数:杉橋

1P目(深美):

取付きの岩峰を右から巻いて、そのまま下部をトラバース。支点は少なく、

岩にスリングをタイオフしてロープを延ばし、突き当たりの垂壁を上がり40mほどで終了。

 

2P目(杉橋):

右上の凹角を進み、途中にハーケン3ヶにランナーをとりながら出口付近で少し左へ出て25mほどで終了。

 

3P目(深美):

岩峰を左へ巻きトラバースして雪稜を上がって15mほどで終了。

 

4P目(杉橋):

右のテラスへ一段上がり、手前にスラブルート、奥にクラックルートがあったが、今回はスラブルートを選択。

右側リスにハーケンが連打されていて、足元は段になっているので思いのほかスタンスは安定していた。

ピッケルで岩を引っかけ右カンテを使いながら身体をあげて、最後の乗越しはガバを取って一気に抜けた。

      

2P目終了点からフォロー 3P目左上トラバース

 

4P目終了点からフォロー 阿弥陀岳への雪稜&岩稜

 

阿弥陀岳山頂

 

4P終了でロープを解除して雪稜&岩稜を歩いて阿弥陀岳山頂へ向かった。

昼前に到着したが、予報通り天気が崩れてきたので完登の握手をし、雪の安定していた中岳沢を通ってBCに戻った。

感想:

各終了点はハンガーボルトが整備されていたので分かり易かった。

登攀は4Pと少ないがスラブやクラックなどルート選択もあり何度でも行きたいと思えるルートでした。また、稜線から見える景色も素晴らしかった。

パートナーの深美さん、力強いラッセルありがとうございました。

次回も宜しくお願い致します。

 

装備:

カムC#0.75-2、アブミx1:未使用

文章/杉橋