剱岳 冬合宿

 

山行記録・写真等は、既に作山君作成の資料で概ね網羅されているので、今回の内容は、私自身がこの冬合宿に参加して 感じたこと・学んだことを挙げたいと思います。

 

期  間  20191230日〜202011

メンバー  森田、中嶋、田中、作山、鈴木

 

感じたこと・学んだこと

・雨に対しての対応が不十分だった。 

今回は初日が雪ではなく雨でした。ザックカバーを掛けなかったのでダウンなど一部の衣類を濡らしてしまった。このような事は場合によっては致命的。

今後は降雪・降雨時はザックカバーを掛けるか、ザックの内部に大きなビニール袋を入れ濡らしてはならない物を保護するべきですね。

・山岳警備隊の入山チェックはしっかりしてます。

 馬場島の富山県警の詰所にて登山届を出しますが、詰所には既に各人の冬山山行経験と登山届がファイル

 に綴じられていました。(事前に中嶋さんが送っていたよう) それから、本計画について不明点の質問があり、その他現状の説明および注意事項がありました。いい加減な計画や装備で入山しようとすると必ずツッコミを入れられるような感じでした。また、「ヤマタン」という発信機を各人それぞれに渡されました。ココヘリではダメですかと聞くと、ココヘリは見通しのきく場所では長距離でも探知できるが、障害物(尾根・岩・多くの樹木等)があると探知しにくいということでした。種類の違う二つの発信機を持っていると遭難時の発見確率が多分アップすると思います。 山岳警備隊の方々の「遭難者は出したくない」 という意志をはっきり感じました。

・テン場作りの経験ができなかったのは残念

 今回、1400m強の場所に整地された場所があったので、それを利用しました。最初から整地してテン場作りを

 してみたかったです。スコップがあまり活躍しませんでした。

・竹ペグは横向きに埋めて使う。

 テントの引っ張りヒモを留める竹ペグは、横向きに雪に埋めて踏み固めて固定する。私は最初分からなかったので、竹ペグを縦斜めに雪に差していました。

・フライの入口のキンチャクの紐は夜間は結んでおく

 夜間に風雪がきついとフライの入口から雪が入ってくる。その防止のためにキンチャクの紐は、引っ張って閉じるだけでなく一回結んでおく。

・テントシューズは便利だが、テントの外に出たときは滑落に十分注意する。

 特に夜間 トイレなどでテント外に出たとき、テントシューズでは滑り易いので、急傾斜地では要注意。暗いしピッケルもなければ、そのまま滑落することも考えられる。

・自分の持参したアルコール類、今回ちょっと多過ぎたか?

 今回、ワイン1.8Lと日本酒1.0Lの計2.8kgを持っていきました。正月ということもあり皆さんに喜んでもらえると思い運びましたが、ちょっと多過ぎたかなと。次回はもっと軽めにします。

・ラッセルの交替のパターンを学んだ。

 トップは、ゆっくりではなく結構疲れるまで必死にトレースを作っていく。あとは最後尾で体力を回復。

・風雪時の登下山が経験できた。

 早月小屋〜2500m付近まで、強めの風雪となり視界が悪く、顔に雪粒が刺さるような感じでした。また、リーダーが撤退を決めた後の下山時、先程作ったトレースが数分〜10分くらいで消えるまたは消えかかっている状態でした。風雪時はこんな感じなんだと。視界が悪いときトレースがないのは不安です。 よい経験になりました。

・トレースが消えたときの下山は要注意

 撤退後(2500m)からテン場(1450m)に下山する間、風雪によりトレースがほとんど消えている状況で、ルート間違いがありました。尾根は下に向かっては幾筋にも分かれていくので、下るときはルートミスしやすいですね。尾根の分かれではよく進路を確認する必要がありですね。GPSの活用が有効かと。

・テント撤収時、凍ったテントポールのたたみ方

 テントポールのジョイントが凍っていました。引っ張っても外れません。手で囲って息を吹きかけ温めて外すという事を知りました。 ポール関連で、ポールは真ん中から外していく(同時に2ジョイント温められる)。 たたんだポールは適当に置かない(滑り落ちてなくなるかも)。

・風雪時のテントの設営と撤収、今回はなかったですが、

 大変だと思うのであまりしたくないですが、いつかは経験しなくてはと、

・赤竿の竿は細竹で

 下山時、持ってきていたはずの赤竿がなかったので、会長に聞きました。赤竿の旗だけ取って竿は置いてきたということでした。長いものを持って帰るのはしんどいので、竿自体は細竹などの自然素材にすると山に置いていけるということ。

 

私が今回の冬合宿で感じたこと・学んだことは、だいたいこんなところです。次回からの冬山山行に活かして行きたいと思います。

 

事故なく、怪我なく無事下山できたのも、会長・副会長のおかげです。また、若いお二人から活力をもらい、新たな発見もありました。 ありがとうございました。

 

文 章   田中