アルデ塾 白山 山行記録

■日時:2020110日(金)夜発〜113日(月)帰阪

■メンバー:中嶋宏幸、平野義孝、西川高士

■山域:白山

■カテゴリ:積雪期ピークハント

■山行目的:ラッセルと雪洞体験

■山行概要:

 ・110日(金) 千里中央駅(24:30)集合~平野車で白山登山口に向かう

 ・111日(土) 白峰ゲート(4:30)発〜市ノ瀬(7:00)〜別当出合(9:30)〜甚之助避難小屋(13:30

                              避難小屋泊

 ・112日(日) 甚之助避難小屋(6:30)発〜室堂(9:00)〜御前峰(9:30)〜室堂(10:30

〜甚之助避難小屋(11:45)避難小屋泊

 ・113日(月) 甚之助避難小屋(6:40)発〜別当出合(9:00)〜市ノ瀬(11:00)〜白峰ゲート(13:40

                              〜白峰温泉で入浴後帰阪〜東三国解散(19:30

 

■詳細:

111日(土)

白峰ゲート手前で駐車し、支度をして4:30に出発。この時点で全く雪がなく、天気は星空が見える晴れ。この日の予報では午前中晴れで午後から曇り予報。舗装路を延々と歩き続け、稀に凍結箇所があるものの、慎重に歩き続けること2時間で市ノ瀬に到着。例年では2mほどの積雪があってもおかしくないが、全く雪はなく、舗装路が現れている。そこから、別当出合に向かって1時間ほど登ったあたりで、ツボ足では沈む積雪となり、先行パーティにならい、ワカンを装着。出発して舗装路を4時間歩きようやく別当出合に到着。夏季であれば、ここまでバスで来れる場所である。ここで、今回の山行で最も緊張する底板を外した吊り橋を渡るため、ワカンを外し、簡易ハーネスで手すりのワイヤーに確保しながら慎重に渡る。その後再びワカンを装着し進む。中飯場で先行していた金沢大学のパーティに追いつき、ここからノートレースの雪道を登る。出発から9時間でようやく甚之助避難小屋に到着。冬季であれば2階から出入りをするが積雪が少なく、2階へつづくはしごにも届かない状態で、夏季と同じ1階から出入りができた。ここで一息つきお茶をのみ身体を温めるが深夜の運転と長時間の歩行で疲労困憊のため、予定していた雪洞は断念し避難小屋で明日のアタックに向けて休息することに。この日の食担は中嶋さんで、生野菜と生肉を運びあげてくれて、あたたか鍋をふるまっていただいた。この日避難小屋には我々3名と金沢大学パーティ4名が宿泊し、夕方19時には就寝。

 

 


                     

 

【全く雪のない市ノ瀬】                【別当出合】                       【吊り橋】









【甚之助避難小屋】

112日(日) 御前峰 山頂アタック

朝食、支度を済ませ、6:30に避難小屋を出発。15分ほど前に金沢大学のパーティが先に出発。この日の天気は曇りのち雪。雪は柔らかいため、アイゼンはザックにしまい、ワカンを装着。登り始めて10分ほどの斜面のトラバースで氷結箇所があり、ワカンで慎重にいくが、中嶋さん8mほど滑落。下の柔らかい雪の上で止まり、少し下からトラバースして合流。その後柔らかい雪の斜面を登りながら数カ所竹標布を立てながら進み尾根上のエコーラインに乗れた。エコーラインから弥陀ヶ原への分岐箇所にも竹標布を立て、室堂へ向かう。避難小屋を出発して、2時間半後に室堂に到着。そこで、ワカンをデポしアイゼンに履き替えて、御前峰に向かう。ここからは雪が降りだし、風も強くなってきた。足元の雪は少なく、一部ブルーアイス状に凍結箇所もあり、トラバースの際に踏む場所を慎重に歩を進める。特にフラットフッティングで12本爪が効いているのかを確認しながら登る。一部傾斜が強い箇所はダガーポジションで前爪とピッケルを使い登る箇所もあった。御前峰山頂には9:30に登頂。白山比メ神社奥宮にお参りをして、後から登ってきた金沢大のパーティに写真を撮ってもらえた。山頂にはエイヒレのようになった特大の海老のしっぽが印象的であった。ここからの下りは特に注意して行こうと確認をして、中嶋さん、西川、平野さんの順で降り始める。山頂直下を少し降りてから、氷の斜面をトラバース中に、西川の後ろを歩いていた平野さんが滑落。30m落ちた辺りの傾斜が緩く雪が溜まっている個所で止まった。上から見ていると、最初は動かなかったのでかなり心配したが。少しづつ動き出して、意識もあるように見えた。慎重に平野さんのところに駆け寄り、状態を確認。手足に打撲による痛みはあるものの、骨折などはなさそうで動けるということで、平野さんの荷物を中嶋さんと私で分担して降りることに。ただ、風雪が強くほぼホワイトアウトの中、金沢大パーティに先行してもらい、ゆっくり下山。途中竹標布が出てくるとほっとしながら、御前峰を出発して2時間ほどで避難小屋まで降りて来られた。早ければこの日のうちに下山も考えていたが、もう1泊することに。

 
 


 【室堂】                                    【御前峰・白山比メ神社奥宮】

 

113日(月) 下山

前日の午後から、一晩中しんしんと雪が降り積もり、60p程の積雪に。登りのトレースは完全に消え、GPSの軌跡を頼りにわかんをつけて下山開始。2時間ほどで吊り橋に。ここも慎重に通過。別当出合から車道歩きだが、市ノ瀬を過ぎてもしばらくは雪が残っており、これがクッションになってくれたおかげで平野さんも楽に降りれたようだ。避難小屋から7時間後にゲート前の平野車に到着。この頃には小雨が降りだしていた。その後白峰温泉で暖まり、帰阪した。

■感想・反省

今回長短2つの滑落を目にすることとなった。どちらも雪が少なく、氷結が原因だが、一つ目は後にアイゼンをつける状況だったので、あらかじめアイゼンをつけ、わかんを装着するべきであった。また、アイゼンをつけたうえでも凍結箇所での足の置き場を慎重に選びながら降りるべきだし、12本爪を効かせたフラットフッティングやそれでも難しい場合は四つん這いになり前爪とピッケルを効かせながら降りることの判断力が反省であったと思う。また、今回装備面でロープをもっていかなかったが、今回ののような状況でも不要であったと思うが判断が難しいところでもある。