冬期 伯耆大山(弥山尾根東稜・別山バットレス中央稜) 山行記録
■日時:2021年2月20日(土)〜21日(日)
■メンバー:西川(記録)、平野さん、吉田さん、中嶋さん
■山域:伯耆大山
■カテゴリ:冬季アルパインクライミング
■山行目的:雪山のバリエーションルートを経験する
■山行概要:
2月19日(金) 東三国駅(23:30)集合~平野号で出発。道の駅「奥大山」で仮眠
2月20日(土) 大山駐車場(6:30)発〜元谷避難小屋(7:30)〜弥山尾根東稜取付き(9:30)
〜弥山山頂(12:00)~大山駐車場(14:00)
・2月21日(日) 河原駐車場(6:30)発〜元谷避難小屋(7:30)〜別山バットレス中央陵取付き(9:00)
〜登攀終了(12:00)~大山駐車場(13:30)
■詳細:
2月20日(土) 弥山尾根東稜
仮眠地の「道の駅 奥大山」から30分ほどで大山駐車場に。島根から移動してきた吉田さんと待ち合わせをして、出発。1週間ほど前は気温が高かったものの、2、3日前に冬型の気圧配置のおかげで再び雪がついていることを予想。天気予報では風は強いが晴天予報。順調に元谷避難小屋に到着し、小休止。この時の天気は曇り。うっすらガスがかかり、大山の北壁が薄く見える。別山は右側の台形の形で分かりやすい。その左に弥山沢を挟んで弥山尾根の右側が人気のルート西稜でその左が今回登る東稜が見えた。
小屋から伸びているトレースは1本だけで、それを辿る。しばらく進むとどんどん右方向に逸れていき確認をすると、おそらく別山のさらに右の八合尾根方向だろうと判断し、そこでワカンを装着し左ほうこうへトラバースを開始。取付きに到着する時間が少し遅くなったが、弥山尾根東稜取付きに到着。そこで、ギア類を装着し、左側の雪稜を登ることに。
2、3日前に降ったフワフワ雪が80pくらいあり、その下の雪も柔らかいシャーベット状で急斜面にステップを作りながら、登り進めた。途中でビレイできそうな安定した場所もなく、落ちそうな感じもなかったため、結局最後までノーロープで登り詰めた。1カ所痩せ尾根では強風に耐えながら、尾根にまたがり四つ這いで通過した。東稜を登り詰めると弥山山頂の一般道に合流して一安心。剣ヶ峰への縦走を計画していたが、この強風の中、更に細い尾根伝いに歩くことは危険と判断して、下山することに。
2月21日(日) 別山バットレス中央稜
この日の天気は最高に晴れ渡っていた。前日と同じように大山駐車場を出発して元谷避難小屋に。前日とは違うトレースで向かうことに。しかしながら、途中で前日のトレースと合流。ただ、別山の姿がハッキリと見え、トレースの方向が別山方向に向かっているように思い、そのままのトレースを辿った。予想通り別山バットレス中央稜の取付きに向かっているトレースであった。この日は私たちの前に、ソロの1人と3人パーティーが準備をしていた。
そこで少し待ってから、左から回り込み尾根上に。踏み跡もしっかりついて危険個所もなかったが、そこで、前日には出番がなかったロープを出し、雪稜登攀を開始した。支点はブッシュで取りながら進んだ。岩稜帯のところで先行パーティに追いついた。その岩稜帯の先がどうやら核心部分のようだ。この岩稜帯で持ってきていたカムを2箇所使えるところがあった。また、核心部を過ぎたところに残置のカムもあった。岩稜帯の2ピッチを終え、登り詰めると別山の頭に出た。いったん7、8メートルほどの下降があったが残置のフィックスロープを持ちながら下降できた。その後痩せ尾根を越えて、登りあがったところで一般道と合流して登攀終了。