2021年10月9日〜11日
甲斐駒ヶ岳 ダイヤモンドAフランケ赤蜘蛛ルート
大阪アルデ山岳会 西川さん(リーダー)、吉田(記録)

10月9日土曜日 晴れのち曇り
 前夜10時に新大阪を出発し、夜中2時半、仙流荘駐車場に着き、車中仮眠。朝5時始発の南アルプス林道バスに乗車。緊急事態宣言明けのせいだろう、人が多い。27人乗りのバスが10台出ていた。約1時間で北沢峠。
 甲斐駒ヶ岳登山道を登る。行きかう人たちは、みな日帰り装備だった。頂上を越えると、途端に静かな山になった。八合台地へ下ってテント張る。明日のアプローチを下見して、八合から七丈小屋へ水くみに行った。帰ったら1時半くらい。七丈小屋で買ったビール飲んで昼寝した。

10月10日日曜日 晴れのち曇り
 5時出発まだ暗い。赤蜘蛛取り付きへ下る。途中明るくなる。涼さんアプローチ図に従って行き全く迷わなかった。ありがとうございます。追加でいえば、目印テープとフィックスロープに忠実に行くことかな。
 6時取り付き着。左に見えるダイヤモンドの壁がすごい迫力です。先行3人パーティーを待ち、7時ごろスタート。
1ピッチ目、西川さんリード。出だし空中アブミを難なくこなす。セカンド吉田、出だし2ピン目に届かない。何回やるがどうしても届かない。西川さんのアドバイスで、登り返しのプルージックを使ってなんとか届いた。約1時間10分かかった。すみません。
 2ピッチ目、吉田リード。コーナークラック。快適なジャミングでぐいぐい高度を稼ぐ。やっぱフリーだよな。40m。体感5.8くらい。
 3ピッチ目、西川さん。若干寝たフェイスだが、クラックが3本。右のコーナークラックは草付きで厳しい。真ん中のクラックよりも左のクラックだろう、フリーなら。ここは人工で越える。
 4ピッチ目、吉田。頭上のV字ハングを残置ボルトに導かれて左へそして右から越える。そのあと、少しザレ場のスラブを右方向へ慎重にたどり、大テラス。11時20分。
 5ピッチ目、西川さん。凹角を登る。ここも人工。12時すぎ着。
 6ピッチ目、吉田。垂壁にクラックが走り、残置ボルトあり。またしても人工。途中15mあたりから残置なくなり、カムをきめて行く。小さなハングを越えて5mくらいか、キャメの0.4をきめてビレイ取って、さらにアブミをかける。そして立ちこんだその時、墜落した。8mくらいか。一つ下のカムで止まった。指を擦りむいただけで他は大丈夫。
気を取り直して登り返す。先ほどの場所には0.5をきめる。そして次にカムを、キャメ1か0.75か。するとクラック右の割れたリングボルトの芯に紐がかかっているのが見えた。これはきっと前も誰かが乗って大丈夫だったろうから今回も大丈夫だろう、という今思えば正常化バイアスがかかっていた。紐にアブミをかけて乗った瞬間、墜落した。5mくらいか。呼吸を整えるが、気持ちが付いてこない。交代をお願いする。西川さん、順調に登っていく。このピッチで2人が登り終わるまで3時間かかった。午後3時。
 7ピッチ目、西川さんにお願いする。恐竜カンテを越えるハイライト。ただガスって高度感はあまり感じない。西川さんの強さに自分が申し訳ないような情けないような。
 8ピッチ目、西川さんにお願いする。傾斜ゆるくなり灌木帯へ。
 9ピッチ目、吉田。ほぼ歩き、40mくらいのところで切る。
 ここでロープをほどき、靴を履き替える。18時、暗くなった。登り返して八号岩小屋に着いたのが18時35分だった。

10月11日月曜日 晴れ
 きょうは下山日5時半発。とはいえまず甲斐駒頂上へ登る。平日で人も少ない。疲れた体を惰性で引きずり、9時35分北沢峠着。
 10時のバスに乗り、仙流荘のお風呂、高遠そばをいただき、帰阪17時30分。

登山メモ
 ・仙流荘から北沢峠行のバスは、運行状況を事前に確認したほうがいい。
 ・八合台地はテント場に絶好な平坦地。岩小屋はそこから踏み跡を30mくらい。
 ・八合の水場は涼さんの言うとおり無いと思ったほうがいい。
 ・1ピッチ目の2ピン目が遠いので、チョンボ棒があると安心。
 ・カムは、んーそうですね、フィンガーからハンド2セットかな?まあある範囲で。

コメント
 ・途中携帯を落としてしまい、写真は1枚も残っていません。人気ルートなのでネットで検索してください。
 ・想像以上に人工部分が多い。クライマーならスーパー赤蜘蛛を目指すべき。私は無理。
 ・今回、西川さんの足を引っ張り、自分の体力不足を痛感しました。出直します。