八ヶ岳縦走(2021/2/11-15)メンバー/中嶋、小林
久しぶりの山行記録でございます。以前、企てた八ヶ岳全縦走(調べると7年前!!)。その時は編笠山〜硫黄ぐらいまでは行きたかったが、編笠山〜権現〜赤岳まで歩いて、強風の為、下山。今回はその続きで、赤岳〜蓼科山まで歩く。昨年夏の上ノ廊下、年末の剱と不完全燃焼の山行が続き、改めて山とじっくり向き合って、山への姿勢を見つめ直すのに丁度良い内容かと思い、7年前と同じく中嶋さんとリベンジ。
(7年前の記録はこちらhttp://www.oaac.sakura.ne.jp/chronicle/2014/yatuju/)
<詳細>
1日目 6:00新大阪、11:10美濃戸口、(赤岳鉱泉経由)15:30行者小屋
始発の新幹線で名古屋、特急しなので塩尻まで。飛び連休だし、コロナもあるので、自由席にしたが、なかなかの満席だった。少ない乗り継ぎ時間で弁当とビールを買い、ウハウハで車内を歩いていたら、最近大阪から長野に引っ越した他会のY田H君に会った。弁当食べたら近況を聞きに行こうと思っていたが、すっかりいい気分で爆睡。気付けば塩尻。慌てて乗り換えて茅野まで。バスまでの40分ほどの待ち時間。弁当食べたのに、ついつい立ち食い蕎麦を食べてしまう。やっぱり蕎麦には関西の薄いダシではなく、この醤油味の茶色いダシですよね。
バスはほぼ満席で美濃戸口まで。行者小屋には南沢からが一般的だが、道の良い赤岳鉱泉経由で行く。今回は4泊5日の予定だったので、ビールを担ぐのは諦めたが、快晴に誘われて赤岳鉱泉でビールを買って、行者小屋まで。小屋はやっていないが、トイレ、水場は使える。で、タダなのでラッキーだが、赤岳鉱泉のテント場料は2000円に上がったとのこと!私が山を始めた頃は500円が相場で、1000円まではまあ許せるが、2000円はやり過ぎな気がする…。でも赤岳鉱泉周辺は、ビシッと最新山ファッションに身を固めた金持ち風な人が多いので、全然気にならないのかな…。
行者小屋のテントは10個も無いくらい。遅くまでうるさいテントの隣になった上に、そんなに寒く無いはずなのにシュラフがひんやりしてあまり眠れなかった。まだまだ長い道程、今後が思いやられる…。
2日目 6:30行者小屋、8:40赤岳、10:45横岳、12:05硫黄岳、14:00根石岳、14:45東天狗岳、15:30黒百合ヒュッテ
いよいよ、縦走の始まり!まずは文三郎尾根から赤岳に登る。八ヶ岳には珍しくほぼ無風。振り返れば数年前敗退した大同心雲稜ルートが黒々している。今日のコンディションなら登れるかな…なんて雑念を振り払い、赤岳山頂へ。
「赤岳と富士山」
「遠くに最終目的地、蓼科山」
曇っていたので、期待より富士山はくっきり見えなかったが、風も弱く、中嶋さんの定番ネタ「年末年始の小同心クラックからのほふく前進、硫黄山荘近くで死にかけたおじさんを助けた話」を聞きながら、順調に横岳、硫黄まで。硫黄以降、繋いだことが無かったのでトレースが不安だったが、黒百合ヒュッテから来た登山者に会い、これでトレースも確保された!ビールの無いところでは泊まりたがらない中嶋さんだが、この調子なら黒百合ヒュッテまで行ける!
「横岳」
「硫黄」
硫黄からうんと下って、麦草峠。せっかく登ったのに下るのは勿体ないが、登って…下って…登って…が縦走だから仕方ない。根石岳、天狗と繋いで黒百合ヒュッテに到着。トイレは使えるが、水はもらえないと聞いていたので、自分たちで作った。
「根石岳」
「天狗岳」
「黒百合ヒュッテ」
3日目 6:45黒百合ヒュッテ、7:35中山展望台、9:30麦草峠、11:05茶臼山展望台、11:50縞枯山、13:30北横岳ヒュッテ、14:05北横岳、16:00天祥寺原
昨晩も八ヶ岳にしては寒く無いはずだが、シュラフが冷たくて眠れなかった。起きると、シュラフカバーの内側が結露でビチョビチョ。今晩が思いやられる…。自作のぺミカンの油で腹を壊した中嶋さんのトイレを待って、出発!
昨日より天気良い!登り始めてすぐの中山で温かい朝日に癒される。ここは電波が入るので中嶋さんが予報をチェックすると今日、明日までは良さそう!
「三日目の朝日!!」
「振り返って天狗岳」
南八ツの岩稜と打って変わって、優しい山容の北八ツ。トレースバッチリの樹林帯を歩くが、アップダウンがなかなかキツイ…。特に麦草峠~茶臼山の登りがしんどかった。次の縞枯山付近から、ロープウェイで上がってくるハイカーの影響で人が一気に増える。
「麦草峠」
「茶臼山」
北横岳ヒュッテでビールを購入し、蓼科山方面に下る。北横岳までの盛況ぶりが嘘みたいに人が居ない。だけども、薄いながらトレースがあるので助かる。最後、ベタベタの雪でアイゼンが団子状態になり、ウキ―っとなるが、何とか予定通り天祥寺原に到着!暑かったので中嶋さんが担いでくれたビールがこの上なく美味かった!!明日も天気は良さそうだし、周りには誰も居ない。そもそも4泊の予定で持ってきていた酒を飲みつくすべく、昔の映画ネタをつまみに盛り上がるが、さすがに私のブランデーは飲み切れなかった。
「今宵の宿」
4日目 7:00天祥寺原、10:10蓼科山、13:40プール平
酔っぱらっていたのか寝ぼけていたのかあんまり覚えていないが、夜中「寒い、寒い」言っていたらしく、中嶋さんがダウンを貸してくれた。さすが最高級ナンガシュラフで寝る人は余裕が違う。おかげで5時までぐっすり。いつもは自然と目が覚めるが、中嶋さんが起きるまで気が付かなかった。今日はいよいよ、フィナーレの蓼科山へ!
「ラスト蓼科山!」
縦走と言っても蓼科山は独立峰なので、ほぼイチから登る感じ。それでも、トレースがあるから有難い。途中、枝がうるさくて悪態付きながら登るが、最後はこれまで登って来た八ヶ岳をバックに、フィナーレに相応しいドピーカンの下、大パノラマの頂上へ到着!!正真正銘、これでもう登らなくていい、あとは下るだけ!!
「もうすぐ頂上!」
「蓼科山頂上から八ツを振り返る。大分歩いたなぁ」
「雲海と南アルプス」
「白山~北アルプス」
散々大展望を楽しんで、いざ下山。急な下りと、女の神茶屋からはトレースが薄くなり、しんどかったが、何とかバス停のあるプール平に到着!!連日8時間前後の行動はしんどかった…。下ってみて、昨晩地震があったこと、明日から二つ玉低気圧で荒れることを知った。地震の影響もなく、荒天前の良いタイミングで登れたことに感謝。プール平の公共浴場で4日間の汗と疲れを流し、茅野駅で大ジョッキで喉を潤し、塩尻で購入した酒を飲みながら、大阪に帰りましたとさ。
…自分を見つめ直す山行だったが、何が分かったか…。明確な答えは無いけど、散々アップダウンに苦しめられつつも、帰りの電車で「次何処行こうか?」と話している私は結局、山から離れられないのでしょう…。変わりゆく山容と減っていく荷物…、縦走を満喫しました。