2008年8月12日 剱岳・チンネ左稜線
メンバー/大内・真嶋



4時50分に熊ノ岩のBCを出発、長次郎雪渓右俣上部にはクレバスが何ヶ所も口を開けている。約40分で池ノ谷乗越に到着。目の前の池ノ谷ガリーを下る。途中で右手の踏み跡からチンネ側を覗いてみるが、そこはジャンダルムの岩場。もう少し下ってから右の明瞭な踏み跡から辿るとすぐに三ノ窓に到着、6時10分。ベルニナ山岳会の他、数張りのテント有り。
三ノ窓よりチンネ基部左端を目指して雪渓をトラバースする。快晴なので迷う事は無いが、ガスっていると厄介な所だろう。約10分で左稜線1P目取り付き地点の5bほど左下にあるテラスに到着、6時25分。先行の4人+3人パーティーの抜けるのを待ちながら登攀具を装着する。7時20分に大内の先行でツルベにて登攀開始。
1P目・凹角を左上してバンドに出る。約15b。
2P目・バンド左端から易しいフェースを直上、途中に確保点があるが更に直上。易しいので何処でも登れてしまい少し左にそれた感じ。約45b。
3P目・右上してバンドに出て大ピナクルが左側の見える位置でピッチを切る。約20b。
4P目・左の岩溝を登ってピナクル裏手の狭いテラスまで来たら、正面のフェースを直上。約40b。岩は硬くフリクションは最高に効く。
5P目・コンテで這松のある岩場をほぼ水平移動。左稜線上部の姿が圧巻!約40b。
6P目・コンテでリッジ左端の這松の生えた部分を適当に登る。約40b。
7P目・リッジ状を登る。約40b。前方のT5(9 P目の取り付き地点)で渋滞しているのでここで待つ。これが何と1時間半以上も待たされるハメとなる。
8P目・数々ある大きなピナクルを忠実に越えて行く。ザイルの流れが気になるので、ランニングはかなり省略する。約45b。高度感もあり晴天の下で気分は上々♪
9P目・リッジから左のフェースに移りつつ、核心と言われる小ハングを越える。容易。しかし、その上のフェースを含めてこのピッチは『クライミングをしているな〜』と感じる事ができる楽しさ。約35b。
10P目・クラックのあるフェースを直上、続いて楽しく快適なピッチ。約20b。
11P目・易しいリッジ。だんだんと谷間からガスが湧き上がってくる。約25b。
12P目・簡単なナイフエッジと小ピナクル。傾斜は落ちる。約25b。
13P目・さらに傾斜の落ちたナイフエッジで歩きという感じ。約40b。13時25分にチンネの頭に到着。小休止の後、コルに10bほどクライムダウンして池ノ谷ガリー側に1回のラッペル、そしてガリーを登り返して池ノ谷乗越へ、急な長次郎谷を下りBCに帰着。

二人ともが初めてだった有名な『チンネ左稜線』。とにかく景色が素晴らしい!八ツ峰上部、クレオパトラ・ニードル、小窓ノ王、そして遠方の山々・・・。しかし人気ルートの宿命だか、ルート中でさえも順番待ちを2時間以上は強いられた。岩登り自体は極めて易しいので(例えば、穂高なら屏風岩T4尾根の方が難しい位。)おおよそ13ピッチもあるとはいえ、3〜4時間あれば登れる印象でした。
記録:真嶋


2008年8月13日   剱岳 八ッ峰
メンバー/大内L、伊地知、中嶋



前日のテント場の熊の岩より取付きに向かう。10分も歩く取付に到着する。今日は出来るだけたくさん六峰のフェースを登ろうと思う。

まずはCフェース剣稜会ルート。リードはオール大内。
1p目スラブから凹角を登るが、ザイルをほぼ50m一杯までのばす。少しピッチのきり方を間違う。
2p目簡単な岩場。
3p目ここも三級程度の簡単な岩場を登り一番ののぼり所の手前でピッチを切る。
4p目剣稜会ルートのハイライトリッジのトラバース。高度感満点の快適なリッジをトラバース。
5p目易しいリッジを登りCファースの頭にでる。

次はAフェース中大ルート。リードはオール中嶋。
1p目凹角から取付き少し右に回りこんでしまい、訂正をして正規ルートに戻る。少し壁が立っていていやらしい。ビレイ位置も三人がぶら下がりながら、やっととどまれる程度であった。
2pチムニーからカンテに移るが1ピッチ目と比べるとかなり易しい。Aフェースの頭までザイルを伸ばそうかと思ったが、少しザイルが足りないようだったので、少し手前のピナクルでビレイする。
3p目簡単な10m程のピッチを登れば頭。

Aフェース魚津高ルート。リードはオール中嶋。
1p目凹角を登る。少しルートを間違えて通常より左よりでビレイ。快適。
2p通常のカンテのルートに戻る。快適なリッジ。
3p目ここも快適なリッジを登りAフェースの頭にでる。

もっと登りたかったが少し雨が降ってきて快適なクライミングができそうもなかったので早々にテントに引上げビールで乾杯する。熊の岩からの登攀はほんとに快適で六峰の岩場をゲレンデに変えてくれる。天候とメンバーに恵まれれば一日でほとんど全てのルートを登ることが出来るであろう。

文章/中嶋