2008年12月30日 前穂高岳北尾根
メンバー/森田、大内、中嶋、辰己



12/30<風雪> 前夜mont-bell前にて待ち合わせ大内号にて出発する。4時前に坂巻温泉駐車場に到着し仮眠を取る。
7時起床。寒さ対策で丸まって眠ったので腰が朝一番の悲鳴をあげる。それぞれ朝食をとってから車にて釜トンネルまで行く。3人と荷物をデポして運転手のみ駐車場に逆戻りする。入山する人の足はまちまちで長野県警によると今年は蝶ヶ岳に入るパーティーが一番多いとのこと。はてさて北尾根はどんなものだろうか。。
20分ほど歩いて快適に釜トンネルを抜ける。大正池にて美味しいcoffeeをいただき温かく幸せな一時を過ごし、上高地をめざす(10:00)。ターミナルで一緒になった人が携帯で日本山岳会が試験配信している天気予報を見せてくれた(10:40)。引き続き冬型の気圧配置で晴天は見込めない。頂上付近は-20℃。。寒そうやなぁとつぶやきあう。その後、大切なメンバーであった菅森の眠る明神東稜下雪渓に手を合わせてから明神(11:45)→徳沢(12:50)へと進む。慶応尾根の基部までのばす案も出たが、結局トイレ前にてテント設営。お鍋と今回希少な500mlのプレミアムモルツを分け合って少し侘しいながらおなかと心を満たして明日に備える。上空では轟々と風が唸っていて上部の様子が気になる夜だった。

12/31<快晴ときどき突風> 4時起床6時出発で8峰を目指す。新村橋を渡りトレースから離れるように奥又白谷に入る。ここでワカンをつけてラッセル開始。1798ピーク北西のコル目指して藪こぎして尾根に上がると末端からと思われるトレースにぶつかる。尾根らしい尾根をひたすら登り、夏のパノラマコースを横切って慶応尾根をつめる。途中5人パーティーとすれ違う。昨晩の風をどううまく凌いだのか..と思わず思いを馳せてしまう。2154ピークからは4峰以下の稜線が雪雲の間から見渡せ、思わずお〜!!と声が漏れる。稜線上の突風を考慮して頂上手前のうすらブッシュ帯にて整地、テントをしっかりと張る。夜はお鍋の〆に年越しそばを食べてここでまた100mlずつの佐藤を分け合って侘しく2008年度の飲み納めとなった。夜中心配された風であったが、たまにフライよ頑張れ〜と寝ぼけながら思うくらいでテントごともっていかれることはなかった。ラジオから聴こえてくる紅白が消えてしまってからはただただ寒く、森田をのぞく3人がトイレに起き出す夜だった。

1/1<風雪たまに淡い陽の光> あけましておめでとうございまーす。黒豆、ごまめ、昆布巻きなど正月らしい朝食を済ませると、とりあえず56のコルを目標に北尾根をつめていく(6:15)。雪は踏めども固まらないふかふか新雪で、ナイフリッジ上は慎重にピッケルを使いながら進む。7峰の下りで安全策をとり懸垂用にザイルをはるが、6峰に上がるたぬき岩からはじまる岩雪ミックスはピッケルとスタンス頼りにノーザイルで快調に歩を進める。あまりにサクサク56コルまで着いてしまったのでもう少し進みませんかと中嶋が言うが、今後の天候回復が見込めないこと、風雪も変わりなく続いていることから予定変更は行わずテントまで帰り、時間の余裕があれば今日のうちに徳沢まで下ることに決まる(9:45)。12時には8峰下のテン場まできたので各自小休止してテント撤収後、徳沢まで一気に下った(15:40)。下まで降りてくると風もなぎやっぱり快適。おまけに気も張らないので心地よい。バター風味の美味ぺミカンチャーハンとアテを食べながら、北尾根のリベンジと+αの屏風からの継続案などGW、来年冬の目標を語りながらいつの間にか夜が更けていった。

1/2<深々雪と風> 足取り軽く徳沢を離れ、今回の無事を想い返して明神にて再度皆で手を合わせてから上高地→大正池まで。行きしと同様にcoffeeに癒されて釜トンネルを抜けると3日前と同じ景色が広がっていた。中の湯喫茶店では車を取りに行ってくれた大内に内緒で(!?)これまたAsahiに癒される。坂巻温泉は残念ながら予約でいっぱいとのことで中の湯温泉に場所を移し大宴会となった。翌日は飛騨高山の朝市によって酒蔵巡りとお土産を買い込んで帰路についた。
文章/辰己