2009年5月2日ー5日 明神岳東稜、前穂高岳北尾根
メンバー/中嶋L、辰巳CL、岡


5月1日 岡号にて23:00烏丸東南角で辰己、山科で中嶋をそれぞれピックアップして一路平湯温泉あかんだな駐車場を目指す。どこまでも1,050円というありがたいETC制度の恩恵にあずかり、一同思わず「わーい!!」と歓声をあげる。駐車場はさすがにGWで車が長蛇の列をつくっていた。4時に開くゲート傍にて仮眠をとる。

5月2日(快晴) 臨時便のおかげで並ぶことなくバスに乗り込み上高地に到着。ターミナルはキャンプ、雪山ハイク、雪稜登攀と山の格好をした人で賑わっており、これから自分たちの行く明神を想うと思わずにんまりせずにおれない。行きしのバスで偶然お隣になった神戸FACの方の話によると頂上から前穂、明神U峰それぞれに間のコルに2張りほどのテントスペースがあるとのこと。時間が許せば頂稜のコルまで伸ばそうと中嶋と決める。明神館で休憩をとって養魚場の裏手から上宮川谷を目指してオレンジテープを横目に登っていく。体調も睡眠も万全でずんずん進んでいく中嶋とは対照的に岡はボッカになれないのかペースがあがらないのて適当に小休止をはさむ。途中ひょうたん池の手前で3年前に雪崩で亡くなった菅森氏慰霊の為に献花と献麦を行い手を合わせる(10:45)。ナムナム。前も後ろも人また人。ひょうたん池で登攀具をつけて雪稜を進む。今回リーダーの中嶋から全行程フルリード!という嬉しくもありがたい機会をもらえたので、お言葉に甘えて先に行かせてもらう。通称第1段階と呼ばれているらしい岩場は右の階段状ルンゼが渋滞していたので左の草付きから右上するルートをとる。上部は一か所ザイルを出すぐらいで雪稜木登り岩登りが続く(15;10)。雪でも歩いては止まり×2の岡の様子から中嶋が今日はバットレス下までやねと一言。テントスペースについて整地、設営が済む頃には上に4張り、下に2張りというにぎやかさで、隣のお鍋がこぼれる様子まで聞こえてくる長屋のような状態だった。美味しい具沢山シチューに心あたたまりながら、入山祝いのビールを片手に「会長!会長!」と我らが森田氏の噂話に花を咲かせて気分よく眠りについた。

5月3日(晴れ時々薄曇り) 4時に起床して3種(2種?)の麺づくしをおなかいっぱい食べてから出発(6:00)。ものの2分もかからないバットレスはすでに渋滞中。岩場をこえるとすぐそこが明神岳山頂だった(6:42)。スプーンの残るテント跡にザックをデポして、X峰までのピストンに行く。U峰は左上するルートを50Mいっぱいのばして進み、続く浮石の激しいV峰は右に巻くトレースと離れて稜線をつめて3級程度の岩を越えていく。雪はほとんどついていない。続くW,X峰は夏道のごとくトレースがみえていたので引き返すことにする。U峰を懸垂で下る頃には明神からの縦走パーティーが3組ほどこちらに向かってくるところだった。明神山頂からは稜線上をしばらく進むと奥明神沢につながるコルの手前で懸垂渋滞(12:15)。某チャレンジAにある奥叉白池までの下りはA沢口と中叉白谷口に踏み替え点が2か所あるとのこと。若干霞む山並の景色を眺めながら三本槍下らしきおおよその下降点を確認する。前穂へ上がる雪渓上のトレースと離れてガレの稜線を進むと緩やかなコル(下降点)が見つかる(13:00)。三本槍は顕著でないので一抹の不安はあるものの、奥叉尾根と茶臼尾根がなんとか目視できるため下降を開始する。沢口から見えていたコルを踏み替え点と思いさらに下っていくと予想外にも明神東稜と茶臼尾根の間の谷に下りてしまっていた(明日前穂から検証してみたところ正しい踏み替え点はA沢下降点から見えるコルからもう50mほど下にトラバースした地点であった。奥叉尾根と茶臼尾根は上部でつながっており南側にもう一本小尾根が走っていた。)山では予想外のことが起こる。ここからは連続トラバースとなる。休憩中、「もー。放心状態。」と言う岡に雪山はじめの頃の自分を重ねて(「雪に慣れん時のトラバースは緊張するし疲れるしで大変やったもんなぁ。。」)と妙にうなずきながら中嶋と励ましつつ白池ベースに到着(15:30)。中畠新道であわやビバークかと心配された森田櫻井組のサポートにかけつけて、皆でテント、mont-bell新作自立式ツェルトを張って本日も入山祝い。お酒も回って饒舌森田氏のご講義を聞きながら新しい会員とのやり取りを見ていると、A峰会色の残るアルデの変わりゆく姿をみた気がした。
文章/辰己

5月4日(曇り時々晴れ) 奥又白池BC7:40-4,5のコル9:30-3,4のコル10:20/12:00-3p終了点13:30-前穂山頂14:20/15:00-奥又白池BC15:40

一日休養のつもりでゆっくり起床。しかしテントから出ると思いのほか好天、そしてラジオから翌日雨との予報。あわてて前穂北尾根を登ることにする。ベースキャンプから目指す4,5のコルはしっかりととらえられた。雪面をトラバースして4,5のコルに到着。慎重にW峰をのぼって3,4のコルへ。先着6パーティー。しばらく槍をながめたりして順番待ち。12時V峰の登攀開始。リードはすべて辰己。ダブルロープで岡、中嶋がフォローで登る。1p目左に巻きながら上へ。回り込むところが難しく手袋をとった。今回空身だが、フル装備のことを思うと恐ろしい。2p目は簡単な雪稜。3p目、凹角を登る。ホールドスタンスは豊富。4p目の雪稜はノーザイルで進む。5p目、右にまくトラバース。念のためロープをつける。終了後は稜線を進みピークへ。そして記念撮影。昨日と同じ下降点につく。昨日迷った下降だが、今日はベースキャンプがはっきり見えたおかげで下降ルートがはっきりした。昨日よりひとつ下のコルで踏み変えてベースキャンプまで一気に下降。尻セードが爽快だった。
文章/岡


4-5日中畠新道ー奥叉白池BCー茶臼の頭
メンバー/森田L、櫻井


5月2日 大阪駅→松本駅
大阪から電車に揺られて7時間、終電で松本駅着。駅構内で新島々行きの始発列車を待ちつつ一休み。
5月3日 松本駅→上高地→奥叉白谷・中畠新道経由→奥叉白池BC
7:00上高地着、朝食を軽くとった後、出発。途中の明神でワインを頂きつつ、新村橋までは平坦な道で足取りも軽く進んでいく。奥叉白谷に差し掛かった雪道から、はやくもバテ始める。なんとか中畠新道の取り付きまで到着するも、雪を踏み抜いたり、アイゼンワークがなっていなかったりで、会長のペースに全く付いていけなくなったあげく、力尽きて体が動かなくなり会長に救出される。その後、あわや中畠新道でビバークと思われましたが、会長と皆の手助けにより、ほうほうのていで奥叉白池BCに到着。テントの中で体力不足と食事について反省。
5月4日 奥叉白池BC→雪上歩行訓練→雪洞作成
4,5日は明神、奥穂高岳までアタックする予定でしたが、前日の自分の登りっぷりから、非常に危険との判断から、雪上歩行、アイゼンとピッケルの指導を会長直々にして頂く。午後は雪洞堀りでトイレを作成。
5月5日 奥叉白池BC→茶臼の頭→上高地
朝方、辰巳に付き添いをしてもらい、BC近くの茶臼の頭まで散歩に出掛ける。下山時もバテてしまうが、皆の支援を頂き無事上高地に到着。学ぶところの多い合宿でした。
文章/櫻井