2009年1月22-23日 八ヶ岳ジョウゴ沢、大同心雲稜ルート
メンバー/大内、辰己
1/22<おだやかな晴天> 深夜吹田駅に集合しいつもの通り大内号にて一路美濃戸山荘を目指す。前日から降ったとみられる新雪が15-20cmくらいあり、除雪の追いついていない道ではスタッドレスタイヤがありがたい。約5時間で目的地に到着。明るくなったら起きるだろうと目覚まし無しの仮眠をとる。
寝起きの変な夢に悩まされつつ朝食をとって出発する(8:10)。赤岳展望山荘で小休止、時々晴れ間もみえるため本命大同心を今日にするか!?と話合うがとりあえずテン場についてから考えようということで、いい天気が明日も続くことを願って腰をあげる。ここでトレースは南沢に入り私たちは新雪かぶる北沢方面へ。橋の手前にあるボイラー室?付近でもう1本いれてひたすら北沢沿いを上がっていく。途中、田辺治さんはじめとするガイドの皆さんとすれ違い声を掛けると、更新研修があったとのこと。軽快な足運び、鋭い眼差し、エネルギッシュな雰囲気に思わず「お〜さすが。何かが違う」と肌で感じる(気のせい??)。ガイドと一般登攀者の違いについて悶々と考えてるうちに赤岳鉱泉に到着(12:00)。「この移動性停気圧じゃ明日の天気は夕方にならないと判断できない」と山荘スタッフに言われ、大福を食べながらテン場の整地、テントを張る。
暖かいココアを飲んでジョウゴ沢に出発(13:31)、F1到着(13:49)。8割方雪に埋まっていて、雪払いからはじめる。アイス事始めということでトップロープを張り、2本ほどクライムダウンも含めて足慣らしをして上部に抜ける。F2までは右岸からの表層雪崩があったり、トレースが消えていて時々深みにはまりながら進む。大内先発で二人ともリードで登り本日終了(16:38)。アイスはあまりわからないので「とりあえず登れるんだけど、これでいいの?」と技術的な面で少々疑問が残る。赤岳鉱泉で明日の天気予報と4銘柄のビールを仕入れ豚肉と野菜の味噌炒めをおかずにうどんをすする。就寝
1/23<ガスと風ときどき晴れ間>
昨日の残りお肉と野菜入りラーメンを食しいざ大同心へ(6:15)。膝下10cmから始まった大同心稜のラッセルは傾斜が増すごとに膝→腰に、これでもか〜というくらい新雪が道を阻んでくれている。いざりで進むと案外埋もれない箇所もあって、アイス状に固まっている部分と見分けるのが少し楽しくなってくる。時に強い風が吹きぬけるものの、登っていると暑くてヤッケを脱いでしまう程だった。8:30大同心取り付き着。実は二人ともトポを忘れてしまったので記憶を頼りにルートを探す。結果としては稜線突き当たりの青いスリングがかかった右フェイスルートの左にそれぞれ約10m間隔で3箇所支点があり、雲稜の1pボルトラダーで始まる正解は一番左にある右上小クラック右にPETZLの打ってあるルートであった。間違いルートで試行錯誤した後、タイムリミットを気にしつつ正規ルートに取り付く(10:30)。大内リードでピッケルを引っ掛けながらのフリーからアブミにうつる。寒さと風は容赦なく、ヤッケもザックも凍りつき、ガチャ類すべて薄氷につつまれる様。震えは膝→腰→全身にくると本で読んでいたが、その通り貴重な体験をすることになった。大内は左手がつるというアクシデントがありながらも、小バンドを越えて左に進み1p終了。ビレー解除コールがかかる(11:55)。氷のついた岩角にピッケルをかけるが慣れるまで3,4手緊張する。もう少しフリーでいけるんじゃぁ・・・とアブミを出さずにいると行き詰まり、苦しい体勢からあぶみを掛けるのに手間取る。その後も苦戦し何とか1p目終了点にたどり着く頃には周囲は青空に包まれていた(12:44)。ここで残念時間切れと判断し、懸垂にて取り付きまで下る(13:00)。あぶみ練習が足りていなかったことを痛感する。その後、大凹角、右フェイス、南稜それぞれのルート取り付きを確認してから、雪が大分溶けた大同心稜を下って下山した。
文章:辰己
最後2枚は順に南稜右、左ルート